扇風機

最近は朝晩涼しくなってきたとは言え、まだまだ扇風機の出番は終わらない。

エアコンを使うまでもないが、ちょっとした涼が欲しいときに扇風機はいいのだ。


若いころは、扇風機はパワフルじゃなきゃ価値がないみたいに思っていた。

風呂から上がって、強風で一気に体を冷ます。フトンで寝るときも強風。

とにかく強風一本槍のココロ。

弱、中なんて、一体なんのためにあるのか?って感じ。


しかし、どうもトシをとると、寝るときに「強」なんてとてもじゃないが使えない。

「扇風機に当たりっぱなしで寝ると死ぬ」なんて都市伝説があるけども、

確かに扇風機当たりっぱなしでいると、例え「弱」でも妙に体にコタエるようになった。

風が強いのが問題だということに気が付いてからは、扇風機の風を直接体に

当てるようなことはせずに、壁に向けて反射する風に当たっていたりしたが、

それでも、なんだかしっくりこなかった。

いまや、扇風機の価値はいかに弱い風を送れるかということを悟った。


早速調べてみることにしたが、超微風のある扇風機ってのがなかなか無い。

安物扇風機は弱、中、強の3段階。

で、このテの扇風機は弱といってもホントウの弱じゃない。

風に「柔らか感」が全然無い。

結局、価格ドットコムで調べて、東芝と三菱の製品に超微風らしきものを備えていることが判明。

近所のヤマダに行き、東芝のF−LK75Xという機種が、在庫処分現品限り5,780円で

出ていた。高い…

マイナスイオン付きだの、フルスペック扇風機だの宣伝文句が付いている。

どこぞの液晶テレビみたいな…

なんだかホコリっぽいような気もしたし、ハコも無いので、ムムムと思ったが、

まあ組み立てる手間が省けていいやと前向きに考えて即買いした。


部屋に帰って早速運転。一番弱い風である「ゆっくり」に合わせてみると、

おぉ! これだこれだ。この柔らか感こそが求めていた風。

しかも、モーター音のなんと静かなことか。寝るときにも全く気にならない。

強にしても、いままで使っていた2,980円の安モノとは雲泥の差だ。

今までの扇風機は使うのヤメだ。ガサツな感じが良く分かった。

扇風機なんて、モーターに羽をくっつけただけの単純な機器で、

どこのメーカも同じものだろうと思っていたが、全然違っていた。

ちゃんとしたメーカーのモノは、高いなりに高品質であったのだ。

いやはや、正直扇風機でここまで満足するとは思えなかった。

また、高い買い物と思ったが、価格コムで調べたら一番安い店で7,400円を超えていたから、

高いなりにかなりトクだったことが分かり、久々にいい買い物をした。