のりピー別荘サイクリング

ここのところのテレビ番組は、飽きもせずにのりピーネタばっかりだ。

しかし、毎日同じかというと、何かしらちょっとした変化をつけている。

小出しにするのもいい加減にしろと言いたい。

ま、それは良いけども露出度の高い映像の一つに、勝浦の別荘がある。

「Magic」と書かれている例の平屋の一軒家だ。

で、盆休み最後の日にぐうたらと過ごすのもなんだと思い、

そこまでサイクリングすることにした。

朝10時川口発。天気は良い。

しかし、ツールド妻有のときと同じような体の重さを感じる。

というか脚力が明らかに落ちた感じだ。明治通り、国道1号を経て横浜着12:30。

ハラが減ったが、そのまま国道16号に入り、横須賀を経て久里浜へ。

久里浜港に着いたら何かめぼしいモノでも食べようと思っていたが、

東京湾フェリーの出港までわずかだったので、船内で買うことにする。

14:05発の白浜丸に乗船。

夏休み期間中だというのに、車両甲板はガラガラ、客室内は空席が目立つ。

料金値下げした東京湾アクアラインに相当持って行かれている様子だ。

空っぽのボトルに水を補給。船の水は生ぬるかった。

海軍カレーパンと、アメリカンドックを購入。通常なら客室外の甲板部に出て、

潮風を浴びながら景色を眺めるところだが、暑くてかなわないので客室内にとどまる。

先頭に陣取って、だんだんに迫ってくる房総の景色を眺めながらヒルメシ。

サイクリングの途中の船旅は、実に良いアクセントになる。

が、自分以外にサイクリストは本船に乗船していないようだった。

14:50房総半島の金谷港に到着。近くのセブンイレブンに入り、

再び腹ごしらえ&水分補給。

ちょっと南下して、保田という町から房総半島を横断する長狭街道に入る。

ほぼ一直線で鴨川に向かっており、半島をぐるっと南下するよりはショートカットできる。

しかし、今回のサイクリングを思いついたのは今朝方のことで、

ロクに事前の下調べもせず、地図すら持たずに来たのは失敗だった。

それほどの勾配では無いのだろうが、長狭街道は途中に峠があり、

また、アップダウンが続いていて今の自分には相当コタエた。

去年のツールドちばではこの道のどこかの区間を走ったハズで、そのときは大して

何とも思わなかった道なのに、今日はへとへとだ。

景色は里山と水田が広がるもので、正しい日本のイカナの夏を具体化しているような感じで、

悪くはないのだが。

途中長狭の交差点のセブンイレブンで再び水分補給。カネばかり使ってる。

やっとのことで鴨川に到着。鴨川シーワールドの前を通る。

通りかかっただけなのに何となくリゾートしているような気にさせられる。

国道128号バイパスを避けて、安房天津の街中を通る。

交通量も少なく、漁村の雰囲気が感じられて良かった。

トンネルを抜け、行川アイランド駅に差し掛かる前に、すぐに海の方向に曲がる。

確かここだったはず。ジャリっぽい道を進むと、「おせんころがし」という断崖絶壁

の上部に出る。

過酷な税で村人を苦しめる豪族がいたが、その娘おせんが父親を改心させようとする。

しかし、親は聞き入れない。あるとき村人たちが父親を殺そうとするのを知り、

父親と入れかわって、村人たちにおせんはこの断崖から放り出され殺される。

翌日村人たちは、殺したのは父親ではなくおせんであることに気が付き、父親に詫びを入れる。

さすがの父親も改心したそうな。という話。

確かに、この断崖から落ちたら死ぬだろうな。

人気の無い場所だから、余計に辺りが気になって長居しないことにする。

ここからは興津の市街地を通らずにトンネルだらけのバイパスを行く。

鵜原理想郷という看板が出てくる。どんだけスバラシイ所だろうかと気になるが先を行く。

やっと勝浦市街に入る。またノドが乾いて海に程近いヤマザキデイリーで

コーラを買って店の外で飲む。

ふと「ダメ絶対麻薬」のポスターが店に貼られているのに気づく。なんともタイムリー。

部原海岸に着く。確かのりピー別荘はこのあたりのハズだが・・・

有名スポット化で野次馬だらけだと踏んでいたのだが、そんな集団は見当たらず。

国道から一本入った道に行ってみる。自転車でウロチョロしている自分は、

見た目非常にアヤシイ感じだったろうと思う。

ちょうどセブンイレブンとかデニーズの裏手にそれはあった。

「Magic」…間違いない。

中に入ろうかと思ったが、ロープが張られダンボール切れ端に赤文字で「立ち入り禁止」。

おまけにやたらと広い駐車場の奥には、怪しげなハイエースみたいなクルマと

乗用車が…誰も乗っていないようだが、なんとなくこっちを見ているような気がして

気味が悪い。デジカメで3枚ほど撮って、その場を後にした。

なんで、こんなボロ家が家賃10万なんだと思っていたが、だだっ広い駐車場込みならば、

そんなものかなぁと思った。

目的は果たしたので後は帰るのみだが、せっかくなので少し先の御宿まで行くことにした。

月の砂漠という童謡の舞台となった海岸があり、たしかラクダの像があったはず。

しかし、砂浜にはまだ海水浴客が結構いて、ラクダのところまで自転車を担いでいく自分は

相当な場違いだった。

ラクダ像には先客がいて、若い女性2人がチャラ男風のヒトたちにラクダに乗せられて

ケータイカメラで撮影しているところだった。今度原宿の店でぇ〜とかナントカ

シャベっていたが、自分の姿に気が付くとすみませんと言ってどいてくれた。

自転車を立てかけて写真を撮ろうとしたら、チャラ男はDAIGOみたいな感じで、

撮りましょっかァ?と言ってきたので、お言葉に甘えた。

珍しい動物にでも見えているのか、マジすごいっすよ〜、チョーいいっすねぇ

などと言いながら、ギャル達までもが自分にケータイカメラを向けている。

あ、チャラ男と言ったが、自分に親切にしてくれたので、ナイスガイに訂正だ。

砂浜まで来る途中で「御宿の湯」という温泉施設があるのに気が付いていたので、

立ち寄る。1,000円は高かったが、予想もしないことに源泉掛け流しのだったので

良かった。おまけに余り客も居なくて最高だった。

さっぱりして着替えて駅に向かうと、ちょうど電車が出るところで次は1時間後。

あ〜あ…、まあ晩メシを食べる時間が出来てヨシとする。

駅から少し戻って、レストラン我が家という店に入る。

とてもじゃないが、「レストラン」と名乗ってはイカンのではないかと思えるような風情だ。

ビールと野菜ラーメンを注文。風呂上りの体にビールがシミワタル!

ラーメンのなかなかボリュームがあり、まあまあだった。

店の犬がラーメンに興味があるのか、自分のそばをうろちょろしている。

犬の動きが面白くて、隣のテーブルに座っていたオッサンと少し話した。

いい気分で店を出て、セブンイレブンで帰りの車中用のポテチとビールを購入。

自転車をバラして、車中のヒトとなる。

あとはノンビリと帰るだけだったのが、途中から乗車してきたオッサンに車内喫煙を注意したら、

それがきっかけで千葉まで延々と話し相手をすることになってしまった。

まあ嫌な感じでは無かったから良かった。

のりピー別荘サイクリングは、なんとなく人との触れ合い旅になってしまった。