無人島に生きる十六人

本の表紙

風邪をひいて会社を休んだ。

こんな日は当然おとなしく寝てるべきだが、なんとなく体調が良くなったような気がして、

午後からふとんに寝転がりながら読書して過ごした。

前にジャケ買い(?)した、「無人島に生きる十六人」だ。

私はロクに泳げないものの、船とか海関係の本が好きなのだが、

特に、遭難→生還みたいな、いわゆるノンフィクション・サバイバルものが面白い。

もちろん、自分が遭難するのは面白くない。安全圏にいるのがいいのだ。

内容は、明治時代、16人を乗せた日本の帆船が太平洋上で嵐のため座礁

小さな無人島に漂着した16人は水、食料、火、塩などさまざまな工夫でこれらを確保しながら、

近くに船が通りかかるまで過ごし、しかも全員はケガもなく助かるという実話だ。

また、こんな状況にありながら楽しみを見つけ、そればかりか学習・研究も怠らないという

非常に優等生的な内容で、ちょっと、出来すぎた感もあるが…

人間16人も一緒に居れば(正確には途中で2島に分かれる箇所もあるが)

ケンカも起きようものだが、この本ではそんなこともなく、

むしろ16人の力が結集して良い結果を生んだと言える。

前に、図書館で「大西洋漂流76日間」という本を借りたが、

これは逆に、難船後すぐに島に漂着せず、一人きりで大西洋を漂流というものだ。

途中救命ゴムイカダの空気が抜けそうになったり、漁具が壊れたりと、さまざまなトラブルがあったが、

これらを乗りこえ、2ヶ月以上後に、漁民に助けられるというモノで、これも面白い。

我ながらヘタクソな説明で、これっぽっちも面白さが伝わらないが、

実際に読めば面白さが分かるから、これでいいのだ。

どちらの本からも、希望を失わず、前向きに取り組むことの大切さを改めて認識させられたのであるが、

しばらくすると、そんな気持ちも日常生活に埋没してしまうのが凡人の悲しさ…


無人島に生きる十六人(新潮文庫)ISBN4-10-110321-6 C0126 \400E