ついていったらこうなった

ついていったらこうなった

丸善で、面白そうな本があったので買った。

"キャッチセールス潜入ルポ「ついていったらこうなった」"という本。

キャッチセールス評論家と自称する筆者が、実際にキャッチセールスに

ついていったらどうなるのかを書いたものだ。

キャッチに限らず、アヤしげな電話・DMなどにも触れている。

読んでみたら、行ったことはないけど、あーそんなことあったなぁと、

自分にも思い当たることがあった。

まず、絵の展示会。

「絵に興味がありますよね。良かったら来ませんか?」みたいな電話がかかってきたことがある。

そういえば、そんな電話がかかってくるちょっと前に、美術館にあったアンケートに

回答したことがあった。名簿が漏れたんだろう。

で、話しているうちに、どうも絵を売りつけようとする意図が見えたので、電話を切った。

この本によると、会場に行ったらしつこいセールスに巻き込まれるとのこと。

あと、携帯電話が当たるクジ。1等はどっかの旅行で、2等がケータイだった。

自分もやってみて、携帯電話が当たった。

けど、その頃は携帯なんか要らないと思っていたので、クジは捨てた。

この本によると、解約出来ないケータイをつかまされるらしい。


この本に掲載されているパターンには無いけど、私もヒドイ目にあったことがある。

高校生の時だった。

駅前で、「あなたの、幸せを祈らせてください」なんていうヤロがいた。

目をつぶって、手をひたいにかざしてもらうというやつだ。

まあ、幸せを祈ってもらうだけならいいやと思って応じた。

でも、ひょっとして、自分が目をつぶっている間に、ヤロがどっかに行ってしまって、

自分を「駅前で目をつぶって立っている変なヒト」に仕立て上げる魂胆かもしれないと思って、

薄目で様子を見てたが、そんなこともなかった。ヤロも目をつぶってた。

手をかざしてもらっても、Mr.マリックみたいに「キテマス」みたいな感じは全然無かった。

と、手かざしが終わったので、帰ろうとすると、ヤロが「ぜひとも聞いていただきたい話が

あるんです!!本当にありがたいお話で…」と言ってきた。

私は、帰るのでと断ったが、何とヤロは自分の後を話しかけながら、ひたすら付いてきた。

家のそばに来た頃、ヤロがこちらですとか言ってきた。

なんと、自分の帰る方向と、ヤロの行きたい場所が一致していたのだ。気味が悪い。

自分は、しぶしぶその道場というか平屋の一軒家に入ると、

1000円以上お願いしますと言ってきやがった。

既に、ヤロのほかに何人もの信者というか指導者らしいのが出てきて、

ヤロは、さっきまでの親しげな様子からすっかり変わってしまって、「ありがたい話

なんだかんな。しっかり聞くんだぞ!」みたいな高圧的態度になっていた。

えぇっ、カネとるのか!と思ったけど、帰れそうにない雰囲気で、500円にマケてもらった。

別の部屋に通され、教祖らしいジジイの写真に土下座しろという。怖いので、従った。

その後、この宗教は、他の宗教を信じていても構わないとか、

手かざしでヒトに気を与えるようになるためには、「おみたま」というものを、ウン万円で

購入する必要があるとか、ワケのわかんないことを言い出した。

どうやって、そこから逃れてきたのか今となっては思い出せないが、

何とかそのヤバイ道場から逃げてきた。家のそばに、こんなところがあるなんて…


ハラが痛いときに、手を当てると痛みが和らぐこともある。

手を当てることで精神的に不安を無くす効果があるだろうから、「手当て」の語源となっている。

だが、この宗教のしてることは「手当て」という行為を悪用し、おみたまを売りつける悪徳商法だ。

500円返せ。宗教真光め!