鹿の湯
日曜の話。
宇都宮で餃子を食べた後、那須湯本温泉に向かった。
午後3時頃、「殺生石」の駐車場に到着。
標高が高いだけあって、東京のもわーっとしたのとは違って爽やかな高原の空気だ。
駐車場から殺生石までは木道を200メートルほど歩く。
石がゴロゴロ転がり千体地蔵が並ぶ、賽の河原のような非常に荒涼とした風景だ。
辺りは硫黄のにおいがたちこめる。
「殺生石」付近は硫化水素ガスが発生し、小動物や鳥などが毒に当てられて斃れたという。
ガイドの人がいて、いろんな岩があるが、これが本当の殺生石というものを教えてくれた。
S字型に縦の亀裂が入っている黒い岩がホンモノで、あとはフツーの石だという。
雨がぱらつきだして、共同浴場の「鹿の湯」に向かう。
クルマは殺生石の駐車場に置きっぱなしだが、歩いてもすぐの距離だ。
鹿の湯は那須湯本温泉でももっとも古くからある浴場。
一部増築しているようだが、基本的に建物は昔からのままで風情がある。
ここの温泉は、湯あたり防止のためにいろんな決まりごとがある。
まず、浴槽に入るまえに「かぶり湯」と称して、後頭部にひしゃくですくったお湯を100回程度かけるという。
と、言ってもひしゃくが備え付けられているわけではない。みなMYひしゃく持参だ。
仕方なくケロリンの桶でかぶったがかぶりにくい。やっぱりひしゃくがいいようだ。
浴槽は、41、42、43、44、46、48度と温度別に6つに分かれている。
低い温度から順々に入っていったが、46度の浴槽に入ろうとしたら、地元の常連のような人たちが
たむろってて、どうも近づきにくい感じ…
それでも、入ろうとして行ったら、ここは熱いよ!と、どうも観光客の来るトコじゃないぞ!みたいな感じで
言ってきたので、ムム!と思い、地元の方専用ですか?と言い返してしまった。
結局46度の浴槽に入ったのだけども、低い温度から慣らしてきたので意外にあっさり入れてしまった。
カラダに負担になると思い、肩を出していたのだが、地元のオッサンが肩を押してきて、肩まで浸かることに
なってしまった。
と同時に、トンと音がしたので、見ると砂時計が…「3分間入るんですよ」
46度に3分!
正直言ってきつかった。
最初はまだ良かったが、だんだんカラダに負担になっているのが分かる。
同じ浴槽に入っている人がちょっと動くと、水中でお湯の動きが生じて、
熱い衝撃波が襲い掛かってくるのだ。
あちち、動くなっての!
砂時計は、砂が固まっているんじゃないのかと言いたくなる位にチビリチビリと砂を吐き出している。
3分経過して上がったが、もうフラフラ。
地元の人は、「20分は休み、その後は別の浴槽には入らないこと」と言ってくれたが、
確かに休憩は必要だ。
最初にかぶり湯をしたから湯あたりはしなかったが、かなりインパクトのある入浴法だ。
しかし、46度でコレなんだから48度の浴槽はどうなっちゃうんだろうか…
鹿の湯恐るべし。