教会のクリスマス

会社帰りに、神保町交差点に差し掛かるあたりで、教会関係と思しき方たちが

道行く人々に対して、「クリスマスイベントです。御自由にお立ち寄りください〜」

と声をかけていた。

通勤ルートではあったが、そこに教会があったとは今まで全然気がつかなかった。

教会のクリスマスは行ったことが無いし、何となく敬虔な気持ちになれそうだし、

行ってみようかなぁと思ったけども、上着も着てないし、オフィスとカジュアルの

ごちゃまぜの格好で見た目アヤシイので、どうしようかと迷ったけども、結局行った。

神のお慈悲により、ワケの分からない格好をしている人も許してくれるだろう。

教会は、「救世軍本営」というところ。

救世軍」とは余り聞き慣れないけれども、別にカルトでもない、キチンとしたキリスト教の団体。

ホームレス支援のために、新宿とかで炊き出しをやったり、

また、歳末に「社会鍋」と呼ばれる助け合い募金を行っている。「社会鍋」は季語にもなっている。

ここに、本部があったのか。


さて、教会の中に入ると、救世「軍」だけあって、軍服っぽい格好をしている信者か職員?の

姿が数多く見られた。

おっと、軍服っぽいといっても迷彩服じゃないです。将校っぽい格好というのか。


しかし、自由にお入りくださいと言われて入ったものの、ワタシのように本当に自由にフラッと

入ってきた人はほとんどいない様子。馴れた感じの、キリスト教信者ばかり。

ワタシは落ち着かずキョロキョロしてしまう。

午後7時の開始時間近くになって、隣りに救世軍の人が座ってきたので、ちょっと話す。

救世軍は炊き出しばかりじゃなくて、ホームレスの社会復帰にも努めているとのこと。

社会復帰は、ホームレスになってから1ヶ月が勝負らしい。

それ以上ホームレスをやっていると、なかなか抜け出せなくなるとのことだけども、

ホームレスなりたての人が、ホームレス同士のネットワークを通じて、救世軍の活動を知る頃には、

1ヶ月を超えてしまうこともあり、なかなか難しい面もあるようだ。

宗教云々は別にして、感じがいい人だった。


午後7時に「クリスマス・カロル・サービス」が始まった。

司令官と呼ばれる神父の偉い人?による聖書の言葉と、バンドと唱歌隊による音楽は、

キリスト教信者ではないワタシのココロにも触れるものがあった。


しかし、話を聞いたり、音楽を聴いたりするだけならいい。

教会のクリスマス、いやクリスマスに限らず教会のイベントでは、

一般人と信者を分けるハードルがあったのだ。


−賛美歌−


歌ったこと無い。分からない。

御参列のみなさんは朗々と歌っているが、私は口パク。

歌詞が2番・3番となるに連れて、

何となくメロディーラインが分かって、何となく口ずさむのがやっと。

でも、「きよしこの夜」はちゃんと歌えた。

あと、「牧人ひつじを」と「もろびとこぞりて」というのも、聞いたことがあったので、歌えた。

教会のイベントに行くには、賛美歌は落とし穴だ。


最後に帽子らしいのが回ってきて、1000円も募金をした。我ながら、素晴らしい偽善ぶりだ。


イベントも終わり、玄関ロビーで、ミスタードーナツとお茶のサービスがあったので、

フレンチクルーラーを一つもらって、外に出た。