笹巻けぬき寿司

本郷通りを北上し駿河台の坂道に差し掛かると,

左手に「笹巻けぬき寿司」の看板が目に入る。

「ささまけぬきずし」じゃなくて,「ささまきけぬきずし」と読む。

自転車通勤ルート上にある店で,伝統のありそうな佇まいで何となく気になる存在だったが、

図書館から借りてきた老舗グルメガイドの本に,その店が載っていたので行ってみた。

ガイドによると、笹巻けぬきずしとは、ネタを塩づけにして酢でしめた後、

毛抜きで小骨を抜き、笹の葉で巻いたもの。暑中でも長時間保存ができるとある。


店の外にはガラスのショーウィンドウに商品サンプルと,この店の由来の書が置かれている。

創業元禄15年(1702年)! 東京で一番古いすし屋じゃないかと思う。

サンプルを見ると,ここの寿司は、笹で巻かれた小さな寿司ということが分かる。


こじんまりとした店の戸を開けると,すし屋らしからぬ店内。

和菓子売り場みたいだ。

へいらっしゃい!という威勢の良い声がかかるわけでもない。

この店の奥さんだろうか,こどもを抱いた女性が一人で売り場にいて,電話応対をしていた。

どうしようかと思っていると,店の奥の調理場から,もう一人の女性が顔を出してきた。

5個入り(1,050円)を注文した。

店内のショーケースには,5個入り,7個入りと続き,最大100個入りの箱まで並べられている。

まあ、大きさを示すだけのカラ箱だろうが、100個入りを頼む人っているのだろうか…

待つことしばし、結局売り場の女性の電話は終わることなく、調理場の女性に会計してもらった。

「酸っぱい寿司なので、好き嫌いがあるかもしれません」と言われた。

しかし、それにしても5個入りは小さいなぁ。

函館本線の有名な駅弁にイカ飯があるけども、それと同じぐらいの小ささ。

帰宅して包み紙を見ると、賞味期限が明日の夕方まである。

よほど酢でシメているんだろう。

開封すると、ショーウィンドウに出ていたのと同様、

笹で巻かれたかわいらしい寿司が並んでいた。

笹をほどくまで中身が分からないのが楽しい。

中身は、かんぴょう巻き、タマゴ、おぼろ、こはだ、白身の魚?だった。

店の人が言うほどの食べにくいほどの酸味もなかったが、

普通の寿司よりはかなり酸っぱいことは確かだった。

まあ好きな味ではあるけども、値段の高さがいかんともし難いという感じでした。