小佐渡サイクリング①
早朝4時起床。気になる佐渡の天気は,メディアによりまちまち。晴れることを祈るのみ。
頂いたバナナやカロリーメイトを食し出発。
夜明け前の信濃川沿いの県道を,Hを先頭にして河口に向け時速20キロ程度で走る。
途中コンビニに立ち寄り今日の昼飯などを購入。
5時40分頃,佐渡汽船ターミナル到着。安くない船賃を支払い「おけさ丸」に乗船。
車両甲板に入ると,すでに結構な台数の自転車が。さすが3連休の初日だ。
船の売店でまともな朝飯やビールなどを購入し,最上部の甲板に出る。
空は晴れ渡り,海はベタ凪ぎ。朝日を浴びつつビールをごくり―なかなかバチ当たりだ。
ビールも尽きたので2等船室に入ると,人人人…何とかスキマを見つけて寝る。
両津港が近くなり佐渡おけさの船内放送で目が覚めると,目の前にミニスカギャルが座り込んでいる。
まったく,目のやり場が決まる。いや困る。
両津を9時前に出発。小木までの50キロ余りが今日の行程。
車の交通量は意外に多いが,あれほど船内にいたサイクリストの姿はどこにも見えない。
「シロートはオオサドに行くんだよナ」などと言いながら走る。
気持ちの良い海岸沿いを行くと,「密漁禁止」の看板がチラホラと出現。
「ここにウニやアワビがありまっせ!」と宣伝しているようなモノではないかとも思えてくるが,
実際に漁をするヤツなどいるのだろうか。
ま,サイクリストと思いきや,実は密漁者なんてこともあるかもしれないから
ケーカイするに越したことはないだろう。
しばらく進むと,赤いタイコ橋が気になる小島が見えてきたので立ち寄る。
「津神島公園」といい,島内には津神神社が祀られている。
島民が選んだ,島の宝―「佐渡100選」にも選定されている。
神社の奥には岩場が広がり,潮溜まりもあり,小さいながら変化に富んだ島でなかなか楽しい。
小佐渡の海沿いの道は,意外にもアップダウンがあることに気づかされる。
姫埼灯台入り口の標識が見えたので立ち寄るが,ここまで来るうちにも結構坂を登るのだ。
「鉄造りの灯台としては,わが国最古のもので,歴史的・文化的価値の高い建造物として,
国際航路標識協会による『世界各国の歴史的に特に重要な灯台百選』に選ばれている」との由。
小さいながらも,なかなか由緒があるのだ。ここも佐渡100選の一つ。
灯台の先に進むと,本日3つ目の佐渡100選出現。竜王岩という海上に浮かぶ島だがイマイチだ。
灯台を後にして再び小木への道を進む。途中「とぐろハウス」なるアヤシゲな店が出現。
10時頃に水津に到着。結構な規模の町のハズだが,携帯は圏外だった。
水津を出発すると,またもや100選出現。「赤亀岩」というところだがパッとしない。
佐渡100選にもスカがまぎれているようだ。
赤亀岩から5分もしないうちに,またまた佐渡100選。
今度は「風島」。ここは結構な高さの岩場で,登高欲をそそられる。
赤い手すりある階段の道を登っていくと神社に辿り着くが,そこまで行かないうちに良い眺望が開ける。
公園で小休止していると,防災無線による凄まじい大音量のサイレンが突如吹鳴。時報のようだ。
田舎であればあるほど,のどかな景色をぶち壊すようなこのテのサイレンが当たり前になってくる。
さすが美しい国だ。
養老の瀧入り口の看板が見えてきた。見応えがありそうだし,1キロほどの道のりなので,
行こうと勧めてしまったが,たったの1キロと思ったのが間違い。
川沿いの道はすぐに勾配を増し,途中ダートも現れ,滝に近づく頃にはインナー×ローで一杯一杯の急坂。
涼しげな滝の風情とは裏腹に,オーバーヒート寸前で辿り着く。
滝での小休止でマイナスイオンを浴びて人心地つく。滝からの下りは実にあっけない。
12時頃に「佐渡海洋深層水」の施設が見えた。面白そうなので立ち寄る。
水を求めると,ここではペットボトルでの販売はしてないとのこと。
が,ホースから直接20リットル100円で買えるというので、自転車のボトルをカラにして給水。
17リットル無駄にしたが,素晴らしいコストパフォーマンスだ。トクしたとヨロこぶ。
昼飯は施設の脇の駐車場のような場所に座り込んで食べる。
しばらくすると設備メンテナンスのためか、盛大に深層水の放水が始まった。
急にソンした気分になる。
13時半過ぎに清酒「北雪」の蔵に到着。工場見学を提案。
風邪気味で,くしゃみをしそうになるが,酒造りに悪い菌が飛び散りそうなのでガマン。
貯蔵庫では超音波熟成の米焼酎「さあ°」や,喜多郎の音楽をガンガン聴かせて熟成させる音楽酒など,
ユニークな取り組みの紹介を受ける。
ちょこっと試飲した北雪梅酒の超音波熟成米焼酎割りがなかなかにイケるので,
それらを今晩の宿,Y氏のための手土産として購入。
約束の15時よりも早い時間に,小木のY宅に到着。本日の走行距離84.8キロ。
「かもめ荘」に向かい,温泉で汗を流す。適温の源泉掛け流しの上,客でごった返すこともなく
実に素晴らしいのだけども,シャンプー・石鹸が洗い場に無いのが惜しいところ。
その後,酒屋でニッカの竹鶴12年を購入してY宅へ戻る。
まだ明るいが近所の海鮮物を食わせてくれる割烹「かっさい」へと足を向ける。
Y氏の結婚と,我々の到着の無事を祝し乾杯。
適度な疲労と,風呂上りのさっぱりしたところに,冷えた生ビール。いやはや,たまりません!
つまみにはHが沖縄産との違いを強調していたモズクを注文。
そんなに違うものかと思ったが,味付けもさることながら繊細な食感にうーむと感心。
ヤルときはヤルんだかんナと,静かにモズクは訴えるのであった。
煮魚・焼き魚・刺盛り・サービスのぶりカマなどなど、どおんと続いて,かなりハラ一杯に。
部屋に戻り酒宴は続く。梅酒の米焼酎割の提案はY氏に却下され、梅酒だけが空いてしまった。
竹鶴に手をつけてしばらくして,Hの提案で場所を波止場に移す。
静かな小木の港でウィスキーを囲んで語り合うが,次第に体内アルコール度数の上がった
Y氏の独演会という様相を呈して来た。
竹鶴のボトルがカラになったのをシオに部屋に戻るが、米焼酎に手を出すという展開に
これ以上ついていけず寝ることにした。