第18回東京メトロ沿線ウォーキング

昨晩、表参道で地下鉄を下車したときに、メトロのパンフが目に入った。

東京メトロ沿線ウォーキングというやつで、見ると明日開催となっている。

事前参加予約不要。だれでも自由に参加でき、参加賞ももらえるという。

濠と御門でぐるり江戸城一周というテーマのコース設定で、距離は8.5キロ。

気楽なイベントで、ちょうどいい暇つぶしだ。

天気予報では雨だが、もし晴れたら行ってみようと思った。

予報はハズれて、外はいい天気。

朝の10時30分までに二重橋前駅でスタート受付となっているので、時間には

余裕があるが、9時30分に現地到着。

年配の人が多い感じだが、若い人もちらほら混じっている。

列に加わろうとしたら、係員から最後尾はもっと後ろの旨言われる。

自分が列に加わろうとした場所は、たまたま人と人のスキマができただけで、

よく見ると、はるかかなた目の届く範囲外のところまで行列が出来ていた。

ウォーキングというイベントがこれほどまでに大人気だとは…

とにかくものすごい行列。

この分では、今回このイベントに参加している人は1万人を超えているんじゃないかという

イキオイだ。

それでも予め書いてきた参加用紙と引き換えに、参加の証であるリボンをもらうだけだから、

受付はスムーズで、10分ばかり並んだら出発できた。出発時刻9時40分。

パンフにはコース図が書かれているが、とにかくぞろぞろと参加者が列を成しているので、

ついていけば間違うことはないだろう。

見慣れた皇居前広場を通り、楠正成像を見る。天気のいいときは会社の昼飯をこの辺りで

食べている。

内堀通りを横断しすぐ左折だが、どうせすぐに合流するのでそのまま砂利道を直進し、

皇居二重橋を眺める。はとバスツアー気分だ。

桜田門を抜けると1キロ地点。信号待ち。

とにかくぞろぞろと歩いていく。国会前の和式庭園まで来た。

歩道に水が流れているので、?と思っていると、なぜかマンホールから水が噴出している。

が、キレイではないようで悪臭を放っている。

和式庭園を抜け、国会議事堂に至る道を行く。外からまったく中が見えないようになっている

警察のバスが止まっている。一枚写真を撮る。こんなイベントじゃないときに、

パチリとやったら、機動隊に囲まれてしまうかもしれない。

10時13分。国会議事堂正面。近くて遠い場所だ。

続いて洋式庭園に入る。階段を登ると、人だかり。

見ると、全国の土地の標高を決める基準となる、日本水準原点があった。

庭園内には、高い時計塔があって、三権分立時計塔というようだ。

三権分立というは言うけども、国寄りの判決ばっかり出している裁判の現状を思うと、

実際はどうなんだろうかなと思う。

霞ガーデンというレストランがあったが、土日祝日は休みだった。極めて官庁的だ。

それにしても蒸し暑い。タオルを持ってくるのを忘れて失敗。

周囲は中高年のオジサンオバサンばかりで、友人・仲間と参加しているのが多い。

歩いているとき、なんとなく話が耳に入ってくるが、健康に関する話題ばかり。

「がん細胞は、甘いものを食べて増殖するのよ〜」とか言っている。

国会図書館をぐるっと廻るように歩いて、最高裁へ。

見てるだけで、実際に世話にはなりたくない場所だ。

最高裁前には小さな公園があり、3人の少女のブロンズ像が立っている。

まったく見事なぐらいのアカラサマな裸像で、

「あら、やーねぇ」なんて言ってるオバサンが居るかと思ったが、

当たり前に記念撮影をしている人ばかり。

自分が考えすぎというか、不純ということなんだな。

三宅坂を上っていく。ここから眺める桜田濠は、広々として好きな東京の風景の一つ。

半蔵門から千鳥が淵公園に入る。今度はオトコの3人の裸像だ。

アタマにハトが止まっていて、3体ともフンで白く汚れている。物悲しい。

千鳥が淵の交番で右折。この歩道は道幅が狭く、ちょっとつかえ気味だった。

ちょっと先にこの歩道と並行する土の道があるので、そっちを歩く。

同じように考えている人も居た。オニゴロシの日本酒ワンパックを飲みながら、

参加している夫婦を見かけてびっくりする。

赤レンガの建物が見えてきた。旧近衛師団司令部庁舎、現在の工芸館だ。

夜中に軍服姿の幽霊が出てきそうな感じがする。

北の丸公園に入り、武道館へ。

「全日本合気道演舞大会」の看板が出ていて、関係者が続々と集まっていた。

若い女性の姿もけっこうあった。

空手などと違って、合気道は平和なイメージがあるが、果たしてどんな大会なんだろう。

田安門を抜け、九段坂を下りていく。

昭和館が現れた。立ち寄る予定はなかったが、ウォーキング参加者にはクリアファイル

プレゼントというので寄る。更に、入場すると携帯ストラッププレゼントというので、

釣られて入る。通常料金300円のところ、ウォーキング参加者割引で200円。

が、結果的に釣られて良かった。

戦中・戦後の暮らしぶりが、ふんだんな展示資料とともに解説されている。

戦後の展示では、3丁目の夕日の世界だった。

しかし、ホーロー看板を並べただけのような、薄っぺらなノスタルジーとか

レトロ趣味というのではない、当時の生活が息遣いをもって迫ってくる感じだ。

展示物の内容とともに、見せ方が上手いのだろう。

しかし、戦中の「日本人ならゼイタクは出来ない筈だ」などの看板を見ると、

当時に生まれてなくて良かったなと思う。

統制下の暮らしを見ると、流行のエコとかモッタイナイなどとはレベルが違う。

当時の週刊誌みたいのが展示されており、手にとって中を見ることができる。

戦中は、「なぜ共産主義は悪いか」なんていうキナクサイ記事があった。

戦後は、「天皇とコジキ」なんて記事があって、どっちもタダで

メシが食えるというようなことが書いてあった。今よりも戦後間もない頃のほうが、

ストレートな表現をしていたのかなぁ。

どうせならカストリ雑誌も見てみたかったが、それは無かった。

昭和館は時間を気にせずに再訪してみようと思う。

靖国通りを東に向かうと、神田古書店街になった。立ち読みしだすときりが無いので、

素通りする。

駿河台下の交差点を右折し、気象庁方面へ歩く。

大手門で内堀通りを渡り、パレスホテル前を通り和田倉噴水公園へ。

ゴールは目前だ。

和田倉門の交差点で地下鉄の入り口に入り、12時10分ゴール。

リボンと引き換えに、参加賞のエコバックみたいなやつをもらう。

殆ど知っている道だったが、こういうイベントでぞろぞろと歩いてみると、

なんだか新鮮な感じがした。

次回は10月開催予定とのことなので、日が合えば参加してみようと思った。