ツールド妻有

友人のH氏に誘われて、ツールド妻有に参加してきた。

これは、新潟県十日町近辺の山里をサイクリングするというイベントで

80キロと、120キロの2コースがある。

我々は120キロにした。

出発が午前7時なので、前日は小出清津峡温泉の民宿に宿泊した。

清流に面した部屋はなかなか好ましいが、寝るときになって水流の音が気になって

ちょっとシマッタかと思った。おまけに清流に付き物のアブにヤラレて若干痒い。

5時頃に起床し、着用義務となっているツールド妻有専用サイクルウェアに着替える。

全員が同じジャージ着て走るってのもナァと思うが、仕方ない。

前日にコンビニで買ったスパゲティなどを食べて、出発地のミオン中里に向かう。

が、既に満車で1キロほど離れた駐車場に止める。

今にも降り出しそうな空模様。

500名ほどの参加者。後ろのほうにいるとエイドステーションで混雑に巻き込まれる

恐れがあるので、前のほうに行く。

7時数分後に我々の出発になった。まずは快調な出だし。

累積標高が2000メートルと聞いていたが、大したこと無いなという感じ。

が、それもほんの最初だけだった。河岸段丘の地形は絶え間なくアップダウンが続き、

みるまにペースダウン。はっきり言ってデブには辛いコースだ。

汗がとんでもなく吹き出してくる。

昨年の佐渡ロングライド210キロなど比べ物にならない予感がした。

やがて、H氏は余裕の感じで先に行ってしまった。

自転車+体重がH氏と20キロもあるんだから仕方ないとは思うが、己の不甲斐なさに

愕然とする。

ほうほうの体で、最初の公式AS、ベルナティオASに到着。

ここまで、たったの23キロだが、もうやってられん。

ここからは気持ちの良い下りが続く、時速70キロ超えたあたりで怖くなる。

信濃川を渡り、再び登り。あっというまにインナーギア。

自分のシクロクロスにはMTB用のビックギアが付いているからナントカなるけども、

ロードレーサーの参加者はよくハイギアードで登れると思う。

コノヤロコノヤロとひたすら登坂。

目の前に見るからにとんでもない急勾配が現れた。沿道の人たちがガンバレ〜と声援を

送ってくれるのは嬉しいけども、声援に気を取られてしまい、ますます脚に力が入らなくなる。

やがて、インナーローでも10キロ出せなくなった。

H氏は軽やかにダンシングでクリアしていく。やがてH氏の姿が見えなくなった。

おまけに、他車にも結構抜かれてしまって、自分の体重が悪さをしているのを痛感する。

足を地面に付いたら死ぬと思って走る。

鉢ASに到着。短い距離で200メートルのアップはコタエる。

次の坪山峠ASまでは標高の高いところを走り、景色的にはなかなかのものだった。

曇天で遠望が利かない感じだったが、かんかん照りよりは走りやすいかったと思う。

途中徒歩で100キロ歩いている人たちと遭遇。ご苦労さん。

そこからは狭い道を急降下して気が抜けない走りが続き、国道403号に出たときは

道も広くなりほっとする。

農舞台ASに10時15分頃着。ここまで70キロ。

平均速度が20キロを超えているのが奇跡的だと思えてくる。

ここでヒルメシ。海苔の巻いてあるおにぎり3つと揚げモノ。

なんで海苔巻いているんだよ。消化悪いじゃないか!

沖縄民謡の歌謡ショーをやってたが、くたびれたあまりボーゼンとしながら音楽を聴き、

メシをぱくつく。H氏も疲れたなんて言っているけども、ホントに疲れているのか?

と突っ込みたくなる。

この辺一帯ではちょうど大地の芸術祭というのが催されていて、

屋外にさまざまなゲージツ作品が展示されている。走行中にもいくつか作品を眺めることが

出来て、なかなか面白い。抽象作品が山里の風景にフシギとマッチするのだ。

このASにもいくつかの展示物があり、首の無い動物のオブジェとか写真に収める。

結局40分ほど休憩して出発。

↑↓↑↓のコースが続く。都内の坂道がみんな可愛く思えてくるぐらいだ。

おまけに雨が本降りになってきた。ブレーキシューの減摩が心配だ。

次第に、誰がこんなコース設定しやがったんだ!と怒りがこみ上げてくる。

ちっともサイクリングじゃないぞ。早く終われ。

棚田が美しいという星峠ASまでやってきた。12:30。88キロ。

最後の公式ASだ。雨に煙る棚田は確かになかなかの景色だが、

ここまでの雨で水が入ったのか、デジカメの液晶部分に

曇りが生じているのが非常に気になる。

星峠からは棚田の中を走る細い道に入ったが、これがとんでもない急降下。

晴れていれば快適であったろうに、ブレーキシューが本格的にヤバくなってきた。

前を走るH氏の後輪が突如スリップ。ヤベ!と思ったが、なんとか体勢を立て直し

転倒は避けられた。良かった良かった。

棚田の中の急坂のあとは緩い下りの広い道に出た。デブには助かる。

雨は降り続き、どーでもいーやという気分で飛ばしていく。

H氏は結構後方になってしまった。登りで離されて、下りで逆に引き離すというナサケナイ走り…

もう、ここからはゴールまで一方的な下りだろうと思っていたが、大アマだった。

また100メートルアップぐらいの登りが現れた。当然インナーロー。

やがてH氏が追いついてきて抜いていく。

H氏のマシンに20キロの砂袋をくくりつけたくなった。

やがて、トンネルルートとトンネルを避けて峠を登るルートに分かれたが、

当然トンネルだ。もうやってられん。

H氏は車道は危ないからと言って、広い歩道を走ろうと提案。

異存は無いので歩道を走るが、いつの間にライトが壊れてしまったのか点灯しない。

トンネルを抜けるととんでもないことになっていた。

交通量の少ない歩道に砂ぼこり堆積していて、それが泥状になっていたらしく、

車輪で散々巻き上げてしまい、サイクルジャージどころか、

顔面までドロンコになっていた。口の中もじゃりじゃりしてる。

車道を通ってれば良かった…

すぐ先に臨時のASがあって、顔を洗わせてもらう。

トンネルを抜けると下り勾配。やがて信濃川に近づいた。いよいよ終わりか?

と期待していると、おかしな方向に誘導している。走りやすい道ではなく、

国道とは名ばかりの狭小くねくね道に進まされる。

信濃川の左岸を走る国道353号は小さなアップダウンが続き、

おまけに落ち葉とかで滑りやすくなっている。

14:30やっとのことで、出発地のミオン中里にゴールした。

たったの120キロのハズだったが、見込み違いもはなはだしい結果だった。

かなり体重を落とさないと…

ゴールの手続きを済ませて、参加賞の温泉入浴券を受け取る。

風呂から上がって、駐車場までの1キロを再び走るのはイヤなので、

たまたま空いていたミオンの駐車区画をH氏に陣取ってもらい、クルマを回す。

H氏の自転車もドロンコ。輪行状態にして車載する。

ミオンの風呂でさっぱりし、途中長岡の友人A氏のところに立ち寄り、

H氏宅に泊めてもらった。