落第横丁通り

落第横丁

残業で遅くなった。

今日は、いつもの白山通りではなく、本郷通り経由で帰ることにした。

途中で、皇居の堀を入れた夜景でも撮るべく、いい場所は…と

キョロキョロしていると、時間が時間なのか、

カップルが物陰で何やらアヤしいコトをしてたりするのでヤメにした。

・・・

本郷通り東京大学の前を通る。

そのあたりを歩いているヒトは、若いのは東大生、30くらいのは助手、

中年以上は教授と相場が決まっている。というか相場を決めた。

だから私も東大関係者に見られているはずだ。

偏見以外のナニモノでも無いけど、そんな何となく、勝ち組人口密度が高そうなこの地にあって、

なんとも縁起でもないことに、

「落第横丁通り」

という路地がある。

東大赤門前から駒込方向に向かって、道路の左側。本郷郵便局まで行くと、行きすぎ。

前から気になっていたので、ちょっと寄ってみることに…

路地の入口に看板があったので、見てみると、「峯岸商会」「やさい・くだもの いいづか」

「鉄板レストラン ピグ」「そば処 瀧の家」「一品料理 ゆい」「ユモト工芸」

「中華料理 大島や」「Meat shop 千葉屋」「赤門美容院」「理容イカワ」

などと、全然落第っぽくない。落第横丁と名乗るには物足りなさは否めない。

「赤門美容院」と「理容イカワ」は業種がカブっているな。どうでもいいけど。

路地に入ると、そこは昭和レトロな下町風情。通行人も無く、店の明かりもほとんど消えていた。

「飲み屋、まあじゃん屋が軒を連ねて、留年を重ねている東大生がたむろってる」という期待は全くハズレた。

きっと、昔は飲食店が軒を連ねて、活況を呈していたに違いないが、今はなんというか、遺跡のような印象。

が、看板には無い、おしゃれっぽいカウンターバーを発見。比較的新しく出来たような感じだ。

表通りからちょっとハズしたところに、こういう店がポツンとあるのを見ると、おぉと思ってしまう。

恵比寿の辺りでは、昔の民家を取り壊さずに1階部分だけを改装した、

シャレこいてる食い物屋がポツポツあるが、

この路地でも、昼間に来ればもっとこの手の店が見つかりそうな気がする。

落第横丁は、衰退と再生が入り混じった、そんな感じがする路地だった。