納豆おばさん

天狗納豆

帰りの電車に揺られていると、どこからともなく納豆のような

ニオイが漂ってきた。

ルンペンでもいるのかな?と思って、見回してもそれらしき人はいない。

ひょっとして隣りの年齢不詳の小太りの女性?

その人からちょっと離れてみた。

しかしニオイは消えない。

すると、隣りの中年サラリーマンか?

その中年からちょっと離れてもニオイが漂ってくる。

秋葉原で更に人が乗り込んできた。

自分の周りにも人がどっと来た。

納豆のモトが分からなくなっちゃったなァと思ったが、

秋葉原から乗り込んできた人からも納豆のようなニオイがするような…

一体どうなっちゃってんだろう?

ひょっとして、自分のコートが納豆くさいから、どの人から離れてもニオイがするのか?

と思ってニオイを嗅いでみたけど、特におかしなニオイはしない。


ぎゅう詰め電車に揺られていると、また納豆のようなニオイが…

どいつも、こいつもエブリバディ納豆だ!

もう我慢出来ん!と思い、上野で下車した。


駅のコンコースの出店を20分ばかり覗いてるうちに、

ちょうど宇都宮線でいい時間の電車があったので、乗り換えることにした。

空いてるしヘンなニオイもしないし、ラッキーと思ったのもつかの間、

目の前に、最初に納豆くささを疑った年齢不詳女性がいた。