葬儀DVD
秘書から社葬の様子を撮ったDVDを借りてきた。
私は葬儀の手伝いに行ってないので、どんなだったか興味があったのだ。
葬儀のDVDなんて、市販されているの見たことない。
美空ひばりくらいだったらありそうだなぁ。葬儀の仕方とかならあるか。
で、見てみた。
いきなりお別れの場に相応しい、クラシカルな音楽が流れてきた。
社員がハンディカムみたいので撮ったのかと思ったら、プロの作品だったのだ。
東京の徳川ゆかりの超有名寺が映し出される。
見覚えのある社員の顔があちこちに見える。手伝いに行ったヒトたちだ。
喪服を着て、神妙な顔つきで、受付など各々の持ち場の対応をしている。
うーむ。何と言うかドラマみたいだ。
「パパママたちが撮る子供たちの運動会」みたいな雑さは無い。
やっぱりプロにかかっては、それなりに見えてしまうんだなぁ。ミョーなところに感心する。
場面変わって本堂。坊様たち入場。一部の坊様は鉦・篳篥・太鼓などを手にしている。
おもむろに、雅楽の演奏(?)が始まった。ここは、宮内庁楽部か!
雅楽は神道のモノだと思っていたけど、調べてみたら、日本において仏教と雅楽は、
752年奈良東大寺の大仏開眼法要の時に初めて出会い、それから関係を保ちながら現在に
至るとのこと。
雅楽が終わると、何人もの坊様がこぶしを利かせながら、「あ〜あ〜…」とひたすら「あ〜」
を唱え始めた。自分もDVDを見ながら「あ〜」を真似してみた。バチが当たらねば良いが…
あ〜が数分続き、頭に特異な被り物をした、えらい高齢の坊様が出てきた。
この寺の門主だそうだ。滅多なことじゃ出てこない偉い方とのこと。
しかし、要介護認定を受けそうなヨロヨロ加減…天に召される日も近かろうとお見受けした。
ダミ声のお経が終わって、続いて弔辞。有名な政治家とか、大銀行の頭取とか出てきた。
自分の勤めている会社って、実はスゴいのでは…と勘違いしてしまいそうだ。
この後は喪主の挨拶とか、焼香の場面、参列者退場などエンエン続いた。
最後に、骨壷を持った遺族の乗った車が寺を離れていくところで、2時間近いDVDは終わった。
本当に大物芸能人の葬儀みたいな感じで、素直に驚いた。
こんな立派な式を挙げてもらったことを、亡くなった本人に伝わっていればいいなと思った。