佐渡へ②

大野亀の頂上から

イビキのせいで、余り寝れないまま朝5時になってしまった。

今度から「ホンマ不健康ランド」と呼ぼう。

他の友達2人とここで集合し、5時半近くに出発。佐渡汽船乗り場に自転車で向かう。

クルマはホンマ健康ランドに置きっぱなしだけど、まあいいだろう。

チューリップの咲く信濃川沿いの道を行く。ノンビリ進むが、出航時刻は6時。

新津の友達に心配になって聞くと、ぎりぎりでも大丈夫との答え。新潟港では係員に促され、

そそくさと乗船。「おおさど丸」という船だ。

朝飯を食べてないので、船で朝定食620円。船内食堂にしては良心的な値段設定だろう。

その後売店でビールと枝豆を求め、デッキに出て乾杯。海は凪ぎ快晴。

矢沢永吉プレミアムモルツの宣伝ではないが、最高の週末を過ごしているなぁ。

友達が持ってきたゴザを広げて、しばし海を眺めながらビール。少し風が寒いので船室へ戻る。

寝不足もあってか、雑魚寝の2等船室では深く眠れ、あっという間の2時間半の航海だった。

両津港に入り、観光案内所で今晩の宿の場所、両津の「金沢旅館」を聞き、荷物を宿へ預ける。

さて、自転車を持ってきたものの、具体的な行程は全然決めてなかった。

ロードレーサーに乗ってきた友達は佐渡の上半分、大佐渡を一周するという。

パスハンターに乗ってきた友達は、ドンデン高原にいくという。

クロスバイクの自分ともう1人と友達は、地図を眺めて何となく大丈夫なんじゃないかと

いうことで、ロードレーサーの友人と逆まわりで大佐渡一周することにした。旅館を朝9時出発。

途中店が無いとのことで、両津のコンビニ「HEARTY WOODS」でパンと飲み物を求める。

ゴールデンウィーク初日とは思えないほどヒマな両津の街を抜け、

時計と反対周りに県道佐渡一周線を走る。向かい風と微妙なアップダウンが気になるが、

のどかな海を眺めながらの走りは快適だ。途中、神社の祭礼を見かける。都会ならともかく、

この辺に住んでいるならば、半ば強制参加だろうなぁ。

1時間後、「黒姫海上大橋」を通過。文字通り海上の橋だが、陸側にかつてあった道路が

土砂崩れで埋もれているのが見えた。観光目的での橋ではないということだろう。

北上するにつれ、道幅が狭くなりアップダウンの繰り返しになった。

途中登り坂が見えたので、県道を外れ鷲崎漁港の方に向かうが、結局最後は急登になった。

道がやや平坦になると、見事な菜の花畑が右側に見えるが、そのまま通過。

後から来た友人に、菜の花畑から来た道を振り返ると菜の花畑の後ろに燈台が見え、

見事な風景だったと言われる。残念。

11時頃に名勝「二ツ亀」に到着。海上に浮かぶ小さな2つの島だ。

佐渡フィッシャーズホテルに自転車を置かせてもらい、歩いて二ツ亀に向かうが、

急な崖で島の上には行けず、うろうろしてホテルに戻り、軽くパンなどを食べる。

二ツ亀の次は「大野亀」に寄る。二ツ亀に似た感じだが、頂上まで登ることができる。

我々も頂上に向かうが、思ったよりも長い距離を歩く。頂上には石の塔が鎮座。眺めは最高。

考えてみると、ふだんの土日ではありえないことをしているなぁ。

もう少し後にくれば甘草の花が満開らしいが、花が無くても、見事な風景。遠くに二ツ亀が

見える。ここから見ると本当に、「二ツ亀」という感じだ。

道は更に狭くなり、急な坂を一気に海抜ゼロメートルまで下る。今までの登りがパーになった。

少し走り、再び急登にとりかかると、ロードレーサーの友達が対向してきた。

あれ?一人増えている。しかも女性だ。聞くと、佐渡在住でトライアスロンをしているという。

全然そんな風に見えないお嬢さんだ。TREKの高そうな自転車に乗っていた。

この後は地獄のアップダウンが続くと言われてゲンナリするが、「余裕です」と答えておいた。

確かにウンザリするアップが続く。「海府大橋」で停車。かなりの高さに、足が震える。

まだまだアップが続く。登りきると今度は急降下。半端じゃない。ボロい自転車なので、

スピードは控え目にするが、それでも簡単に50キロは出てしまう。

長いトンネルを抜け、道端に清水を発見。停車してそばにある柄杓で飲む。甘い水だ。

近くにいたおじさんとしばし話す。

まともな昼飯も食べずに走ってきて疲れたので、道端のパーキングで30分ほど昼寝。

そこには安寿と厨子王の碑があった。14時45分出発。旅館には17時集合だからマズイ感じ・・・

更にアップダウンを繰り返し、やっと相川に到着。一息つけようと、喫茶店でケーキを食す。

30分ほど居て、出発が16時過ぎてしまった。もう完全に集合時間を過ぎてしまう。

相川からまたまた登りが出現。以前バスで来たときはそれほどでもない登りだと思ったのに、

クルマと自転車ではエラい違いだ。コノヤロと思いながら登り、トンネルを抜け佐和田へ下りる。

ここまでくればあとは平坦と思ったのもムナしく、再びダラダラ登り。

また、佐和田〜両津間は佐渡のメイン通りらしく、交通量がかなり多く走りづらい。

遅れること30分、ようやく金沢旅館に到着。ちょうどみんな夕飯に出るところだったが、

我々は旅館の風呂でさっぱりしてから、後から行った。

夕飯は両津の寿司屋「いしはら」。113キロ走りきった後のビールはいやはや何とも、

言えない旨さだった。

ビールと旨い日本酒と、新鮮な魚介−かに味噌、刺身と寿司−と、飲んで食べて…

今日の疲れが癒されるようだ。会計は10人で4万5千円と、信じられない安さ。

朝のコンビニで酒・ツマミを買い、旅館に戻って2次会(?)。

佐渡の夜は、心地良い疲れと酔いとともに更けていくのであった。