茂美の湯
埼玉の北部に源泉カケ流しの日帰り温泉があるとの情報をつかみ、
サイクリングがてら行ってきた。
場所は埼玉県行田市、施設の名称は「茂美の湯」。
「もみのゆ」という響きが、なんだかフヌけた感じだ。
いや、「揉みの湯」というのも想像してしまうな。風呂に入ると、手がワラワラ…気持ち悪い。
午後1時に家を出発、産業道路を大宮方面に北上し、国道17号もひたすら北上。
秋晴れだが、かんかん照りというわけでもなく、更に微妙に追い風ということもあり、非常に快適。
時折渋滞が発生していて、同じクルマと数キロにもわたって、抜きつ抜かれつといった
状態が続くことがあった。そう考えると、クルマってのも全然速くないなぁ。
途中のドラッグストアで飲み物とパンを買って、駐車場で立ち食い。
体脂肪率35%超といった感じの家族連れの男子小学生が、冷ややかな視線を送ってきた。ムカつく。
チミみたいなおデブくんこそサイクリングお勧めしますヨ!とヒトコト言ってやりたくなる。
熊谷バイパスに入り、車道部が自転車通行禁止になってしまった。
交通量は少ないが、バイパスだけあってクルマはかなり飛ばしているので、おとなしく歩道を走る。
しばらく入ると、「茂美の湯」のカンバンが出てきた。これに従い左折。
ちょっと走ると、川沿いに緑道があった。温泉は川沿いだから、車道を避けてここを走った。
行田は「さきたま古墳群」で知られているが、ここの緑道にはそれにちなんでいるのか、
ハニワが数体飾られている。面白いというか、よく破壊されずに無事に残っているなぁと思った。
もっと東京に近い埼玉だったら、ガラが悪い連中とか酔っ払いによって壊されているだろう。
緑道が終わったところで、「茂美の湯」が目の前に現れた。15時30分到着。
パチンコ屋とかホテルとか、なんだかいろんな施設がセンス無くくっついたような温泉施設。
せっかくここまで来たのに、かなりのトホホ感だ。
例えが悪いけども、かつて香港にあった九龍城に通じるものがある。
ま、せっかく来たのだから入ることにするが、入口に近づくとド演歌が聞こえてきた。
ガラの悪い酔っ払いオヤジがあたり構わずカーッとタンを吐き、
カラダを洗わないこどもらが浴槽の中で用を足す…
演歌を否定するワケじゃないけども、そんなふうなイヤ〜な光景が頭をよぎった。
券売機で入館券(850円)を求めて、受付に渡す。
850円も出して、タオル1枚のサービスも無いのは少々寂しい。
軽食コーナー、ゲームコーナーなど、日帰り温泉にありがちな施設をしっかり押さえているのを確認しつつ、
浴場に向かう。
確かに源泉カケ流しを謳うだけあって、イヤなニオイはしない。いくらキレイにしても循環温泉ってのは、
独特の饐えたニオイがするものだ。
おまけに、土曜の昼だってのに、全然混んでない。また、酔っ払いも小便小僧みたいなのもいない。
内湯よりも露天のほうが充実してそうなので、外に出る。
すると、ぬる湯とか壺湯とか、さまざまな種類の湯がお出迎え。しかも、全部掛け流し。これはいい!
面白いことに、大画面のテレビが3箇所あって、湯につかりながらヒマつぶしができる。
半分湯につかっている木製の縁台みたいなところで寝っころがりながら、行列のできる法律相談所の
スペシャル番組をしばらく見てしまった。見上げれば青空。斜めを見ればテレビ。極楽だ。
壺湯ってのも良かった。足は伸ばしきれないけども、一人分の浴槽(壺)が3つあって、
それなりの湯量で掛け流しだから、清潔感はあると思う。
外見のトホホな印象とは裏腹に、中身はお勧めできる温泉だといえる。
結局1時間以上も居てしまい、家に着く頃にはすっかり暗くなってしまった。