富士吉田のうどん

中学時代の友人が結婚して、8月から恵比寿から日吉に引っ越した。

また12月から、場所は近いのだけども転勤になって、仕事のシフトが変わるので、

土日は遊べなくなるとのことなので、結婚祝いを渡すチャンスもなくなるし、

会っとこうということになった。

新居に運ぶ荷物がまだ残っているというので、恵比寿の友人の実家で待ち合わせして出発。

日吉の新居は、高台の見晴らしのいい場所だ。奥さんは今日は出勤日とのことで、出払っていた。

荷物を出し終えて、縁もゆかりも無いけど、「ナカタ」の出身地の韮崎に行こうということになった。


しかし、この「日吉」という場所。クルマでの移動拠点としては甚だ不向きな場所だ。

道はくねくね。信号ばかり。時間ばかりかかる。

韮崎どころか、遥か手前の高尾山あたりで昼近くになってしまった。

国道20号を山梨方面に向かい、途中「猿橋」を見物。

デジカメを忘れたことに気付いたがもう遅い。

土産物屋の「写ルンです」は1000円などというフザケタ値段をつけている。

写りは悪いがケータイのカメラで我慢。


大月まで行って、韮崎はあきらめ、有名な「富士吉田のうどん」に方針変更した。

富士吉田には正月に来たが、うどん屋を発見することは出来ず、食べそびれている。


途中、コメリを発見。新潟が本社のホームセンターだ。写ルンを買おうと立ち寄る。

ちょうど新規開店したばかりで、激安特売中だった。

友人は、カラーボックスやら、脚立やら、テレビ台やら、

およそ遊びに来た途中とは思えないような買い物をした。

自分も、写ルン、靴下2足198円とか、歯磨き粉とか、烏龍茶とか買った。

コメリでは、かなり時間を食ってしまった。


富士吉田には14時30分に到着した。しかし「うどん屋」のアテは無い。

こういう時はまず駅に向かうのだ。たいてい観光案内所がある。

とりあえず「うどんマップを下さい」と言うと1枚くれた。

「うどんマップ」なんてあるのかどうかも分からないけども、言ってみるものだ。


しかし、うどん屋は数あれど、ほとんどが14時台で終了ということ判明した。

コメリでの長居が悔やまれる。

ま、選択の余地が無いということは、店選びに悩む必要が無いというメリットと捉えるべきか。

まず「宮下うどん」に行った。

どこか他にもあるのだろうけども、店の駐車場が1台分しか見当らない。

たまたま空いていたから停められた。

引き戸をガラガラと開けると、間仕切りされたカウンターの狭い店内。

客は我々2人。カウンターといっても畳敷きで、靴を脱ぎ上がった。

おばちゃんが一人で切り盛りしているようだ。

「肉うどん」(500円)を注文。

出てきた肉うどんには、吉田のうどんの特徴であるキャベツは入っていなかった。

うどんは柔らかく、コシは感じられなかった。が、伸びているというワケでもない。

なかなか旨味が沁みた鶏肉が入っているのがアタリだ。この肉だけでも満足だ。

完食して、2軒目「さいぐさうどん店」へ。クルマで行くには分かりにくい場所にある。

街中で駐車スペースが見当らないので、地元の人に断って、空いている駐車場に停めた。

「さいぐさうどん店」の隣りにもうどん屋が並んでいる。

しかし、変わった店構えだ。どうも被服関係の店から業態転換したような感じ。

また大量の漫画本が置いてあり、なかなか個性的だ。

我々のほかに客は無かったが、ほどなくしてライダーの集団が入ってきて、

テーブルが2つしか無い店内は一杯になってしまった。

「てんぷらうどん」を注文した。店のおばちゃんは奥にひっこんでしまった。

ここもおばちゃん一人で切り盛りしているようだが、さっきの宮下うどんと違って、厨房が見えない。

もしかして、天ぷらを近所のスーパーに買いに行ってんのかな?べちゃべちゃ天ぷらかなぁ…

隣りのうどん屋に出前を頼んでいるんじゃないのか?

などと言っていると、うどんが出てきた。キャベツがかき揚の下にあった。

宮下と違って、こっちはコシがある。宮下は薄めで上品な感じなのに対して、さいぐさは普通だ。

しかし、べちゃべちゃかもと不安だった天ぷらは、さっくりとしたかき揚で予想外に旨かった。

ここは天ぷらだけでも価値があると思う。

食べてる間、家族連れ3人組が入店。うどんが無くなったので、20分ほど待ってと言われていた。

危ない危ない、我々もギリギリセーフだったのだ。

2軒だけの食べ比べだったが、一口に吉田のうどんと言っても、店ごとの個性の違いがはっきりと分かった。

また、何よりも値段の安さが嬉しい。500円もあれば十分。駅ソバレベルだ。

マップももらったことだし、富士吉田に来たら、今度はどこに行こうか。