小名浜サイクリング②

勿来駅からしばらく走ると、勿来海岸に出た。

海水浴の見張り台が点々と見えるが、海水浴シーズンから外れた今は

寒々しく見える。

国道6号から、勿来の関跡に向かう道に入るが、国道を横断するのは地下道を使う。

押しボタン式の横断歩道ぐらい作ればいいのに…と思ったが、海水浴シーズンでは

下手に横断歩道などを用意すると、かえって危ないのかと思った。

地下道には階段で下りねばならず、自転車は担ぎだ。

勿来の関はすぐに現れるだろうと思っていたが、姿を現さない。

やがてこれか!と思う建物があったが、公衆トイレだった。ガク…

なんか、こういう観光地にあるモノってのは、いちいち由緒ありそうな感じに作ってあるのが

非常に紛らわしい。

道はやがて、急な上り坂になってしまった。勿来の関この先○○メートルなんて書いてあるから

行く方向としては間違いないようだ。

思いがけない登り坂は結構延々と続き、次第にコノヤロメという気分になっていく。

当然というかわれわれ以外に自転車でこんなトコにくる観光客は居ないようで、

何台ものクルマに軽快に追い抜かれていく。

勿来の関跡は海沿いにあると思っていたが、実は山の上にあったのだった。誤算。

勿来の関跡からは海が見え、歌碑が並ぶ小道が続いている。

ちょっと歩いてみようかということになり、自転車をロックし徒歩にて小道に入るが

時間がないということになり、すぐに戻る。

もと来た道を引き返すと、北茨城方面への分岐が現れ、迷わずそちらへ進む。

あまりいい道ではないが、下り一方だから非常にラクだ。

登りの後の下り…これもサイクリングの楽しみだ。登り一方だったら、楽しさ半減。

福島・茨城の県境を意識することなく、というか何の標識もなく、北茨城の平地に

下りてきたものの、行き先案内の標識がまったく無い。

適当にアタリをつけて、市街地らしい方向へ進むと、常磐線を渡り、無事に大津港駅

たどり着いた。

大津港にも、勿来と同様にkaeruくんがあるかなと思ったけども、こちらには無かった。

勿来は観光地の駅らしく整備されていたものの、大津港はただの寂れた駅だった。

駅前にあるレンガ造りの倉庫がいい味を出しているが、ただそれだけ。

駅前散歩のために、自転車をロックしようと、ワイヤ錠を外そうとしたら、外れない。

左に○回、右に○回、左に…と正しい順番で操作するものの開錠しない。

勿来の関の見学をおろそかにしたためか、大津港を寂れた駅と思ったためなのか、

なんらかのバチが当たったのだろうか。何度やっても開かなくなった。

買ってから10回も使ってないというに!!


大津港駅を出て、住宅地内の坂を上り、国道6号を渡り、五浦海岸へ向かう。

海沿いなのに、ナニゲにアップダウンの多い行程だ。

五浦海岸の六角堂に到着。200円支払って園内に入る。

明治時代に日本美術の保存・復興に尽力した岡倉天心ゆかりの地だ。

時間がないので、ワセワセと見て回る。

六角堂は文字通り六角形の建物。赤い屋根が目立つ。海に面した眺めの良い場所に位置し、

夏なんかここでゴロゴロするのは気分がいいだろうなと思わせるところだ。

岡倉天心が思索に耽った場所とのこと。

記念に撮影しようとしたけど、どこから撮っても、全体がうまく収まらないのが残念。

園内には碑があり、解説板には、「亜細亜ハ一なり」と書かれてあった。

アジアハーなり?

しばらく眺めて、「アジアは一つなり」ということが分かった。

意味がわかってすっきりしたような、なぁんだというような…

ここまでで、本日のサイクリングの前半は終わった。

あとは、再び小名浜に帰るだけ。

帰りは全て追い風だから非常に気楽だけども、冬の日は短い。

果たして日没前に戻れるか、気がかりだ。