ツアーバス

23時近く品川駅から新潟へ向かうバスに乗り込んだ。
 
山形県の鶴岡の人から、年末年始の休みに遊びに来ないかと誘いのメールを受けた

のである。それも今朝の話だ。

晦日は家で過ごしたいので行ける日にちは限られるから、29日に行くと伝えた。

もっと前もって言ってくれれば夜行の快速列車の指定を取れただろうに、

年末だから当然のように今晩は満席だった。

普通は明日の新幹線の自由席で行くのだろうが、運賃はケチりたい。

いろいろ検討した結果、新潟までバスで行き、そこから羽越線で鶴岡まで行くことにしたのだ。

予約の電話を入れると最後の1席だった。


この夜行バスは、最近増えてきている「ツアー」という形式をとっている。

普通ツアーといえば、「現地での観光と、そこまでの往復交通手段」が含まれているが、

アーバスというのは、そこから観光と帰りの交通を取っ払ったものだ。

だからツアーと言いつつも、A地点からB地点へ移動するだけで、パッと見は路線バスと同じだ。

しかし、普通の高速路線バスは「○○交通」とか「××バス」などのバス会社に

予約を入れるが、ツアーバスは旅行会社に予約を入れる。

旅行会社との契約だから、どこのバス会社のバスが来るかは分からない。

まあポンコツが来ても、新潟交通より安いから文句は言えない。


それにしても酒を飲みすぎた。今日は御用納めの日だった。

例年、昼まで仕事をし、そこから大掃除、更に午後4時近くになったら別室で

乾き物をツマミに酒というのがお決まりだが、今年は日の並びも良く

9連休というのも気を大きくさせたのかもしれない。

缶ビールはどんどんカラになり、手をつけてはなるまいと思っていた日本酒に

まで突入ということになってしまったのだ。


帰宅後バタバタと準備をして、京浜東北に乗り込んだものの、早速スイカを忘れた

ことに気づく。酔っ払っているなぁ。

オマケに雨がパラついてきて、品川に着く頃には雨脚は強まった。


アーバスにはバス停が無い。

指定された集合場所に行くと、かなりの人数が集まっていた。

バスもずらっと並んでいるが、全部違うバス会社だ。

全部が新潟に向かうのではなく、金沢・仙台といろんな方面に分かれるようだ。

係員と思しき人が数名居て受付をしているが、プラカードを持つわけでもなく、

一体誰がどこ方面の担当だか分からない。どうにかして欲しい。

出発時間がどんどん迫ってきてアセるが、適当に声をかけた人がたまたま新潟方面の担当

だったのでホッとする。

乗り込んだのは、新潟第一観光という会社のもので、普通の4列シートのバスだった。

窓側だったが休憩時の下車を考えると、いちいち隣席の人に断りを入れなければならず煩わしい。

出発時間が来ても、バスは出発しない。遅刻者が居るようだ。

普通の路線バスならば時間が来たら出発してしまうが、係員が遅刻者に電話をかけて確認している。

このへんが「ツアー」らしいところだ。結局2名キャンセルということで出発した。

バスは出発後まもなく減灯して、高速に入ったら真っ暗になった。

完全に真っ暗にしない夜行列車よりは寝やすいと思う。


三芳SAで休憩。トイレをガマンしていたので駆け下りる。

飲みすぎの体にバスの揺れが加わり気持ち悪かったので、ウコンの力を買って飲む。

高速のSAにウコンの力があるとは思わなかったが助かった。

うつらうつらしていると、渋滞も無かったようであっという間に越後川口SAに着いた。

真夜中なのにSAの食堂は開いていて驚く。年末年始のサービスだろうか。

除雪車が待機していたが雪は無かった。

このままでは新潟に到着するのが4時頃になるのではと思っていると、

小千谷インターでバスは高速を下りて長岡駅に寄った。

その後再び眠ってしまったので、高速を使ったのか、下道を走り続けたのか分からないうちに、

予定よりも30分以上早く、午前6時前に新潟駅に到着した。