鶴岡へ

早朝に新潟に着いたが、鶴岡の人には昼に着くと言っておいた。

10時15分の「きらきらうえつ」という快速に乗るまで、時間を潰さねばならない。

とりあえず腹ごしらえのために駅前の松屋に行き、朝からカレーライス大盛りを頼む。450円。

まずお茶が出されて、次いでカレーだからか水が出され、更にサービスの味噌汁が出てきた。

飲み物のオンパレードでハラがだぶだぶだ。しかし30分も経たない。

駅へ行ききっぷを買う。待合室を覗くとかなりの人が居る。

10時までぼんやり座っているのもイヤだし、何より横になりたい。

結局早朝の列車はガラ空きだろうと思い、磐越西線ディーゼルカーに乗る。

案の定ガラガラで4人ボックスの席を占領して丸まって寝る。

しかし暑い。寒冷地では冬季はドアは押しボタンで開くようになっているのだけども、

乗降客が居ないからドアの開閉も無い。そこに暖房がガンガン入っているからたまらない。

再び新潟に戻るが、出発まで1時間もある。

ウロウロしていたら、ちょうど駅の派出所のそばで警官と目が合った。

明らかに不審な眼差しを向けている。

別にヤマしいことは無いけども、そばにあった「やなぎ庵」という駅蕎麦屋に入ってしまった。

冷やしそばを頼む。黒っぽく太い田舎そばで、コシもあり意外にイケる。

腹も減ってないのに食べてしまった。

あてもない4時間を過ごして、やっとのことで「きらきらうえつ」号が入線してきた。

ホワイトをベースにした車体にカラフルな塗装がされていて見ていて楽しげだ。

また景色を楽しむ車両らしく、窓は大きめ、ラウンジや展望スペースが設けられている。

さて自分の指定席は…入り口に近い壁に面した席。

ほかの席はグリーン車並みのシートピッチが確保されているのに、自席は足が伸ばせない。

しかも通路側。ハズレもいいところだ。空席に移動しようと思ったら、本日満席の車内放送。

この席は放棄して、先頭車両の運転席のナナメ後の展望スペースに移動する。

座り心地は悪いが、断然見晴らしがいい。


車内放送の声はは女性車掌で、華やかな感じがする。

「次は○○の町△△です」というように場所の特徴を付して到着駅の案内をしていた。

車内販売でオレンジジュースと、「きらきらうえつ弁当」(1,000円)を買う。

やっぱり旅には駅弁だが、早朝のカレー、さっきの蕎麦で途中で苦しくなった。

普通の幕の内弁当にしては旨かったのに…

きらきら号は村上までかなりスピードを上げた。時々見えるクルマはスローモーションだ。

速度計を見ると120キロを指していた。


この先は笹川流れの絶景だ。楽しみにしていると、

「村上からはトンネルが連続しますので運転席のカーテンを下ろさせていただきます」の放送。

運転士が申し訳なさそうにカーテンを下ろした。展望が無い展望スペースに居る意味が無いので、

ラウンジに移動する。和風の造りの落ち着いた場所だ。ここで弁当を食べれば良かった。

大きな窓に笹川流れの素晴らしい景色が現れると、相席良いですか?と男性が一人来た。

どうぞと言い、どちらまでという話になり、相手の人は北海道までということが分かった。

しかし、相当鉄道に詳しい人で、何とか線の何系の車両は…とか、ここの乗り継ぎは…とか、

ビール片手に熱っぽく語り始め、何と言うか特急田中というドラマに出てきた

鉄道ファンのキャラクターそのままで、本当にこのような人が実在するのだということが分かった。

いやはや参ったなぁと思ったが、人が話しているときに景色を眺めているのも失礼だなと思い、

相槌などを打っているうちに、友達と待ち合わせしている「あつみ温泉」駅に到着してしまった。

楽しみにしていた笹川流れは3分も見ずに終わってしまったが、

一人旅の話し相手になってくれたことに礼を言われたことで、まぁいいやという気になった。

酒田での乗り継ぎが2時間半もあると言っていたので、レンタサイクルと山居倉庫をお勧めした。


あつみ温泉で下車すると、自慢の新車に乗って友人は待っていた。

加茂にクラゲの水族館があることを記憶していたので、そこに連れて行ってもらう。

冬季割引で600円。かなり寂れた感じの建物だが、駐車場には意外にクルマが止まっている。

ラッコのショーをやっていた。水面に限りなく近い輪くぐりとか、タンバリンを叩くとか

内容は素朴だったが、可愛い様子で拍手喝さいだ。

水槽には地元の魚を中心に大型の魚も結構居て迫力がある。

ビタミンA中毒を起こす大型魚が居て、フグ以外にも毒魚が居ることを思い出させた。

やはり目玉は1Fのクラゲコーナーだ。実にさまざまな種類のクラゲが展示されている。

癒し系などと言われるクラゲだが、なかには不気味なものもある。

しかも、クラゲを食べるクラゲも居るというではないか。

さすがに、こどものクラゲは可愛い感じがした。

駆け足気味で見て回ったが、お勧めの水族館だ。


昼飯には、お勧めという酒田市街の平田牧場のトンカツ屋に行くが、14時30分でオーダーストップ。

わずか3分前だったが断られてしまった。残念。

すぐそばの「木鉢」という蕎麦屋に入り、板そばを注文。アタリだった。

その後、遊佐の十六羅漢を見る。海岸の岩場に羅漢が彫り付けられているが、

波が荒くなってきてなかなか迫力があった。というか危険だったか。


今晩の宿泊地の新庄まで送ってもらった。

最上川沿いの国道を走るが、真っ暗でもはや何も見えない。

新庄駅から徒歩7分の「アーバンホテル新庄」にチェックイン。

じゃらんのポイントを使って、なんと宿泊料3,600円。

小さいが清潔感のあるホテルだ。申し分ない。

夕食にはホテルでもらった地図に載ってた「由利苑」という炭火焼肉屋に行く。

座敷で落ち着ける。

牛タン塩はゴムみたいな食感で疑問符が付いたが、カルビはなかなか旨かった。

しかし呼び鈴を押しても、なかなか追加注文を取りに来ない。おまけに注文ミスが目立つ。

様子を見てると、いつの間に満員になってて店員がてんてこ舞い。

人気の割りには店員が少ないのだろう。

2人で8,500円。

アルコール無しでこの値段では食べすぎたかもしれない。

ホテルに戻って、友人と別れた。

食ってばっかりの1日。正月前から正月太り必至だ。