新庄→仙台→川口
新庄のホテルでは疲れてしまって、風呂にも入らず、明かりもテレビも
点けっぱなしで寝てしまった。
明け方近くに目が覚めて、慌てて風呂に入り、午前５時４０分過ぎに出発。
陸羽東線の６時の始発列車に乗り、仙台の祖母を見舞いに行くのだ。
外は小雨だったが、面倒なので傘も差さずに新庄駅に向かう。コートはすっかり濡れた。
発車３分前になってしまい少々アセるが、コンビニで鶏飯とお茶を買って、
二両編成の鳴子温泉行きの列車に乗り込む。
客は自分を含めて２人だけ。みっともないが、靴を脱いでロングシートに横になる。
４人ボックスで丸まって寝るのと違って、寝台列車同様からだを完全に伸ばせてラクだ。
おまけに、ワンマン列車のため運転士の居る一両目しかドアが開かず、
私は二両目に乗っているには誰も来ない。まるまる貸切で、すっかり寝入ってしまった。
鳴子温泉で小牛田行きに乗り換える。
バリッとキメている若い女性が乗ってきた。
一歩間違えれば水商売？と思ってしまうお姿に思わず注目してると、彼女は化粧を始めた。
新幹線の乗換駅の古川で下車するまで化粧は続いた。東京に遊びに行くのだろうか。
ナナメ後姿しか見えなかったが、下車の際にこちらに向かってきた。
鳴子温泉から延々化粧を続けた結果がこれかというような凡庸な顔だった。
残念だが、東京まで化粧を続けてもこれ以上どうにもならないと思った。
東北本線に乗換え仙台へ。更に長町へ。まだ９時半だ。
長町駅前で信号待ちをしていると目的のバスが来た。慌てて走って間に合った。
祖母は元気そうで良かった。昼ごはんの時間になり別れた。
バス停に向かう途中、後からバスの気配。慌てて走って間に合った。
今日はバス運が良いのか悪いのか。
乗ったものの行きとは違う系統だった。仙台駅前で下車。余計に運賃がかかった。
しかも荒い運転で、ちょっと酔ってしまった。
仙台駅の通路でオッサンがいきなり話しかけてきた。キョウネチヨービケ！
突然のことで理解不能。ネチヨービケッテキイテンノ！
次の一言で意味が分かった。「３０日か？」。はいと答えたら、「だったら日曜日だな。」
中学の時も同じようなことがあった。
「トイリハドコデスカ？」
トイリ？ トイリトイリ…アタマの中をぐるぐる回ったが、何も出てこない。
困っていると、そばにいた先生がトイレの場所を説明した。
しかし、モノを尋ねるのにスミマセンの一言もなく、一体なんなんだ。
駅の中のロッテリアで昼飯。
以前に仙台で駅弁を買って電車に乗り込んだら、山手線と同じように全部ロングシートの
編成がやってきて食べられずに困ったことがあったので、駅弁はパスなのだ。
エビチリサンドとコンポタとポテトを注文したら６９０円もした。
ファストフードと言えば１００円マックと考えている自分にとってはありえない値段だが、
エビの弾力とナンのもちもちした食感で旨かった。
１３時頃の福島行きの快速電車に乗る。ロングシートではなく４人ボックス。ヤラれた。
悔しいので、一両目の先頭のロングシートに座る。
運転席のすぐ後なので景色は良い。
出発間際になって周りの様子がおかしいことに気づく。
でかいカバンを持ったヤロどもが１０人ほど居るのだ。
床面に腰を下ろしているのも数名。ドアのそばに陣取って居るのもいて、なんだか迷惑だ。
空席だってあるのに、一体何だ？と思っていると、
時刻表を開いて、何時何分には新宿に着いて、その後の乗り継ぎは…などとしゃべっている。
…鉄道ファンか。しかしこんな振る舞いをしているとヒンシュク買うぞ。
福島で、郡山行きに乗り換える。今度は全部ロングシートだ。先客がかなり乗っていたが、
グズグズしていると、さきほどの鉄道ファンの人たちに席を占領されてしまいそうだ。、
スバヤク細い人と細い人の間のスキマを見つけてとっとと座る。
間違っても太と太の間に座ると後々圧迫されて大変な目に遭う。
じきに列車の中は立ち客が出るほど混んできた。
郡山に着くと、四両編成のうち進行方向前二両が引き続き黒磯行きになるという。
自分は前から二両目に乗っていたからツイてた。
後ろ二両から乗り換えてきた客で、とうとう朝の京浜東北のラッシュ並みの混雑になってしまった。
それとともに、車内の温度は急上昇。暑くてぐったりしてくる。
黒磯から快速上野行きに乗り換える。
さきほどの暑さで消耗してしまい、グリーン車に乗ることにした。７５０円で快適を買うのだ。
静かで客も余り来なくてシートピッチも広くてリクライニングする。当然暑くない。生き返る。
アテンダントが車内販売にも来て、ビールやつまみも売ってくれる。ありがたい。
トイレに行くのに普通車に行ってみる。
グリーン車の雰囲気と余りに違うので、正直優越感を抱いてしまった。いかん。
川口には夜７時ごろ到着。くたびれた。
