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今日は朝の電車で25才くらいの女から「なんなのよ!」と思い切りニラまれてしまった。

その女も無理やり乗り込んだってのに、同じことされたとたんにヒスを起こしていやがる!

満員電車に乗り込むためには、多少お互い様みたいな気持ちがないとやってられないと思うのだが。

しかし、一日の始まりが不愉快だと、その日一日に尾を引いていけない。

結構忙しい一日で、残業で終電2本ぐらい前の電車で帰ってきた。

早く帰れれば残業代が無くて生活は苦しくなるし、

残業すればしたでくたびれるしで、どっちにしてもあまり良いことは無い。

しかし、遅くまで残業をしてしまった以上は、何とか疲れを残さない努力を

しなければならない。

手っ取り早いのは、うまいとこ席が空いたら家のある川口まで座ってくるというヤツで、

これはできるだけ早く下車しそうな客にアタリをつけてその前に立つのだ。

これは誰でもある程度はやっているのではないかと思う。

有楽町から川口に行くまでを考えると、秋葉原が一つの肝になる。

秋葉原総武線各駅停車の乗換え駅で、結構な乗降が見込まれるわけだが、

総武線沿線の住人らしい人を、容貌風采偏見など総合的に判断するわけだ。殆ど偏見だが。

ちなみに、アキバ系と呼ばれる人を探すのは、終電間際という時間だけに

秋葉原で下車するとは限らないので、あまり意味が無いと思われる。

で、この予想が外れたら、次の大きな乗換駅である「上野」で下車しそうな客を

同様に判断し、それが外れたら…ということを繰り返しているうちに、

だんだん、何で下りないんだヨ!コノヤロという憤慨に至る。

で、ムナシク川口に到着すると、今まで前に座っていた人も川口で下車するということが

非常に多い。

今日は、連結付近の席の客が秋葉原で下りるだろうと予想してたら、うまい具合に当たった。

さて座るかと思うと、連結をはさんで隣の車両の、自分から近いところに、

水商売っぽい派手な格好をしたバアサンがかなり疲れた様子で手すりにつかまっているのが

見えたので、席開いてますよと案内してしまった。

アタマの中にちらちらと「偽善」という二文字が浮かんできたが、

席を案内して感謝されていい気分の自分と、席に座ってラクになったバアサンが居て

両方めでたい話だから、まあいいやと、疲れた頭でそんなことを考えていた。

やらない善よりやる偽善てコトバも聞いたことがあるし。

しばらくして、バアサンはアメの入った小さな袋を差し出してきた。

おっ!?と一瞬当惑したが、ありがたく頂いた。


帰宅後、朝のイヤなことを思い出したが、不思議とムカつきは消えていた。