箱根サイクリング

先週行こうと思っていた箱根サイクリングを実行した。

天気予報では荒れた天気ということだったが、まあ太平洋側で雪などと

いうことはないだろうからと行くことにした。

今回はジェイミスオーロラを使用するが、帰りは輪行にするつもりだったので、

ドロヨケとリアキャリアを外してしまった。なんだか別モノの自転車みたいだ。

出発しようとして、携帯用のインフレーターが無いことに気が付いた。

南房総サイクリングの時に外して持っていったのは間違いないのだが、

帰宅してから元の自転車に取り付けてなかったのだ。

慌てて、あちこち探し回ったが、全然見つからない。忽然と消えてしまった。

愚図愚図しているうちに時間がどんどん経過する。

インフレーターはあきらめて、結局出発時刻は午前9時になった。

久々にオーロラに乗るが、思ったほど乗り心地が優しくない気がした。

かっちりした感じのアルミのクロスバイクばかり乗っていたので、

クロモリへの期待が過大になっていたのかもしれない。

追い風を受けて都心を過ぎるあたりまでは快調に進んだ。

ところが、多摩川を渡る頃には南風…明らかに逆風になってしまった。

第一京浜を通り、横浜には11時30分到着。川口から横浜までは毎回2時間半かかって

いるが今回も同じだった。とにかく信号にすぐ引っかかりストップアンドゴーの連続だから、

飛ばそうがゆっくり行こうが、さほど時間には変わらない。

横浜までは何度も来たが、ここから先は自転車では未知の世界。

ハラが減ってきた。180円ラーメンと看板が出ている店が目に入る。

店内は余り客がいない。ヘルメットを脱ぐと髪型がへんちくりんになっているので、

これは好都合だと思い店に入る。案の定店員からはギョッとした目で見られる。

180円ラーメンは本当にシンプルだったので、ラーメンと餃子とライスがついて500円

というセットを注文した。

食後は休憩を兼ねてのんびりしているとどんどん客が入ってきたので、店を出る。

入店前よりも逆風が強まっていた。

今回は地図の代わりに、山と渓谷社が出している「東海道を歩く」という本を持っていった。

これによると、横浜から先に「権田坂」という難所が現れるという。

実際に行くとあまり急な坂ではなかった。

それほど坂を上らないうちに「権太坂上」という交差点に差し掛かり、別に難所じゃないな

と安心していると、そこから更に上りが続いた。全然「坂上」じゃないじゃないか!

それにしてもめちゃくちゃな逆風に加えて、猛烈な土埃だ。目を開けてられない。

目がゴロゴロして手でこすると、手が土埃で真っ黒になった。

さらに、いろんなモノが飛んでくるから危なくて仕方ない。

下り坂に差し掛かっても、枯葉などが下から駆け上ってきて、漕がなきゃ時速10キロ以下に

なってしまう。コノヤロめと思いながら進む。

それでも、国道1号は大渋滞なので自転車の方が早いのが救いだ。

戸塚駅そばを通りしばらく走ると、再びアップダウン、「大坂」というさっきの権太坂よりも

きつい坂が現れる。たまに反対車線にロードバイクが走っているのが目に入るが、

逆風でウンザリしている当方とは対照的に一漕ぎ10メートルぐらいのイキオイで

非常に軽快そうなのがうらやましい限り。

江ノ島・藤沢方面と国道1号の分岐に差し掛かり、迷わず国道1号に入ると、

路肩が殆ど無く、60キロ制限の藤沢バイパスに入ってしまった。

境川大橋という表示が現れた。境川?覚えがあるな…

ずっと前に町田・鎌倉・江ノ島サイクリングしたときに、ちょっとだけ国道1号に入ってみたが、

まさにそのときの道だと知った。

ひたすら猛烈な逆風だが、たまに変則的に横風が吹きハンドルを取られそうになるが、

大きく車道側に膨らもうものなら、大型車に巻き込まれてペシャンコになるのが目に見える。

緊張を強いられる走りが続く。バイパスが終わり、歩道が現れると本当にほっとした。

茅ヶ崎・平塚と越えていく。平塚の花水橋の先に、ファッションセンターしまむらと同じような字体で、

しまむらストアー」というスーパーがあった。

ファッション…のほうは赤い看板だが、ストアはー青い看板だった。系列だろうか?

しかし、衣料品と食料品じゃ違いすぎるから多分関係ない会社かもしれない。

大磯に入ると、太平洋自転車道入り口という標識が出てきた。信号ばかりでクルマも気にしなきゃいけない

国道1号とは別れるべく自転車道へ向かうが、更なる強逆風に苛まれることになった。

自転車道西湘バイパスに沿っていて、まさに海沿いだった。延々と続くかに思われたこの自転車道

川にぶつかって再び国道1号に戻ることになった。

その後も、国道1号から海沿いの抜け道っぽい道を通りながら、小田原に入った。

あまりの逆風の強さに途中の上り坂では松ぼっくりが坂を駆け上がってきた。

小田原から箱根まではゆるゆると上りが続いた。

脚に力が入らなくなってきて、婦人車にまで抜かれる始末。

三枚橋の交差点から早川を渡り、国道1号から外れる。これが昔の東海道なのだがすぐに急勾配が始った。

もう夕方の4時になってしまった。予定では箱根を越えて三島あたりから電車で戻ろうと思っていたのだが、

これまで散々痛めつけられてきた逆風を逆風のままで終わらせるのは癪だと思い、一風呂浴びたら、

元来た道を帰ることにした。

だいたい、これから箱根を越えようにも消耗しきっていて、気力が無い。

しばらく急坂を上ると、「弥坂湯」という小さな公共温泉浴場が出てきたので立ち寄ることにする。

本当に小さなところで、駐車スペースも1台分ぐらいしかないので、静かな湯が楽しめた。

しかし、番台に500円一枚を出したのだが、町外者は650円なんですよと言われた。

箱根はブランドだから配湯料金も高いのだろうが、650円ってのは高いよなぁ…

さっぱりして、再び来た道を帰る。16時30分出発。

箱根から小田原までは下り基調なのであっと言う間だった。途中鈴廣でかまぼこを買う。

小田原では城を見物した。天守のある高台までは自転車で行けないので歩く。想像よりも立派な城だった。

ミニ動物園があったのが面白かった。

もう17時だが、追い風だから時速30キロはカタいだろうと思い出発。

ところが薄暗くなるにつれ、風向きがアヤしくなってきた。追い風の中に逆風の成分が入り込むように

なってきたのだ。

平塚を過ぎたころには、追い風でも逆風でもない、横風が吹きまくった。

さらに藤沢バイパスでは、もうはっきりと行きと同じくらいの逆風になってしまった。

行きが向かい風なら帰りが追い風と相場が決まっていると思っていたのに、すっかり裏切られた。

おまけにすっかり暗くなってしまった。

ハンガーノックになりそうだったが、ミニストップを発見して入る。

店内に飲食スペースがあるのが有難いのだ。寒い外で食べなくて済む。大盛りのペペロンチーノを買って食べる。

飲食スペースには中学生の集団が居て、なにやらお笑い関係のネタで盛り上がっていた。

店外に出ると、寒くてかなわなかった。

平塚駅のそばまで戻ると、東海道線の踏切が車両通行止めの時間になっていた。

道理で交通量が少ないと思っていたが、どうやって踏切の向こう側に行けばいいのだろうか…

そばの人に聞くと、クルマは通れないけども歩行者はOKとのことで安心。

しかし、この時間帯は列車本数が多くなかなか開かない。

平塚からしばらく走ると、もう寒くてかなわなくなり、次の保土ヶ谷駅から湘南新宿ライン輪行することにした。

ところが保土ヶ谷駅に行くと、湘南新宿ラインは通過することが判明。仕方なく横浜まで行くことにする。

途中信号待ちをしていると1,000円札1枚が裸で道端に転がっているのを発見した。

交番を探すと、すぐ先に戸部警察署があり届け出る。面倒なので受け取りなどの権利は一切放棄した。

遺失物法が変わったせいか、係員が手続きに手間取ってしまい、そのお陰で警察署で寒さを一時しのげた。

横浜駅には21時到着となってしまった。寒さに震えながら輪行の準備をし、出発時刻の電光掲示を見ると、

湘南新宿ラインは既に終わってしまっていたので、京浜東北に乗り込み帰宅した。

走行距離170.8キロ。逆風に苦しめられた一日だった。

テレビを見たら今日の強風は春一番で終日交通機関に乱れがあったそうだ。