バリウム検査

会社の定期健康診断があった。

労働組合の要請で、今年度から胃検診を追加することになっていたので、

自分の勤める事業場では、自分の権限でバリウム検査を追加することにした。


健康診断は今日一日だけということではなく、9月のなかばから各日人数を割り振って

実施していたのだが、バリウム検査は不評もいいところだった。

ある程度年配の人ならば経験者も多くて、マァこんなものかという感じだったのだが、

若いコたちは「尻を突き出す姿勢をとらされた!もうやだ!!」

などという声が噴出。


自分もトシとは言え、まるきり中年というわけでもないので、バリウム検査の実際というのが

理解できてなかったので、大変なんだねぇなどと適当に相槌を打っていたのだが、

いざ自分がやってみると、これが参った。


前日は、年下の友人たちとお好み焼き会なるものを開いて、飲んだり食ったり

していたのだが、午後9時以降は翌日の健康診断のために飲食厳禁。

午後9時ぎりぎりまでビールを飲んでいたが、その後猛烈にのどが渇いてきた。

アルコールの後には、水が飲みたくなるのだった。

はひはひと苦しい一晩を過ごして、検査に臨んだのだが、レントゲン室に入ると、

まず炭酸?の粉末を少量の水と一緒に飲むように指示された。

前日からの絶食で胃の中が空っぽで縮小しているのを膨らますためだという。

急激に胃が膨張するのが分かる、と同時にげっぷをしそうになるが、技師からは

げっぷはガマン!と釘を刺される。

せっかく膨らんだ胃が、げっぷで縮んでしまうのだ。

その後は、検査装置に寝るというか立つのだが、そこでバリウムを一口飲むように指示される。

あんまり旨くないが飲めないことも無い。イチゴ味とかメロン味とか付ければいいのに…

バリウムを飲み込むときに、口に空気を含んでそれと一緒に飲み込んで!と言われるが、

炭酸で膨れ上がった胃に、さらに空気と一緒に飲むのはかなり難しかった。当然げっぷ禁止。

体勢を指示通りに変えて、そのつどバリウムを一口ずつ飲む。最後にバリウムを一気に飲む。

検査台が立位から水平になって、寝台のようになった。

指示に従い、カラダをゴロゴロと回転させる。

おそらくは胃にバリウムを隅々までいきわたらせるために、いろんな姿勢をとらせるのだろうが、

若いコが嫌がっていた、尻を突き出す姿勢も取らされた。

そしてここからがびっくりだった。

検査台がさらに傾き始めた。握るところをしっかりつかまってないと、検査台からずり落ちそうになる。

滑り台にアタマから突っ込む姿勢をとって、滑り落ちないようにガマンしろっていうのと同じ。

はっきり言って、デブと腕力の無い年寄りには無理だ。

散々X線を被爆して、バリウム検査は終了した。くたくただ。

最後に下剤を2錠渡されて、この場で飲むように指示された。

注意書きの紙を見たら、明日になってもバリウムが排出されなかったら、

至急病院に!と書かれてあった。なんじゃこりゃ!?


来年からはバリウム検査はヤメたヤメた!!