ツール・ド・ちば 1日目

ツール・ド・ちばの1日目。

朝5時半頃に目覚める。

3日間の相棒であるジェイミスオーロラ号の様子が気になり、

宿の玄関に見に行くと、ライトが点滅しっぱなしになっていた。

昨日からうっかりミスばかりやっている。


朝6時から宿で朝食をとる。

干物、オムレツ、漬物、納豆など極めてフツーの内容。

テレビではサブプライム関連の明るくないニュースが流れていた。

遊びの日々が終わって仕事場に戻ると、嫌な現実に戻されそうな気がする。

荷造りをし、ウェアを身に付け宿を出て、駐車場に向かう。

静かなのは良かったが、部屋にタオルや歯ブラシも無く、6,000円

払ったワリにはうーむという感じの宿であった。


駐車場には昨日と打って変わってクルマが沢山駐車していた。

荷物を預けて2キロ先の不動堂海岸のスタート会場に向かう。

荷物は本日のゴールまで輸送してくれるという。

こういうサービスはあって当然であるが、一人で走る場合には

ありえないことなのでありがたい。

不動堂海岸には既に大勢の人が並んでいる。

ツール・ド・ちばでは平均速度別に25キロ、20キロ、15キロの

3つのグループに分けている。

平均速度っていうのがミソで、うっかり25キロなどというグループに

入ると35キロぐらいの速度で巡航しなければならなくなるので、

迷わず20キロのグループに入る。

50人ずつのスタートで、それぞれ先頭・最後尾に指導員が付く。

同じ50人の班の指導員を抜いてはイケナイとのことなので、走りの自由度は低そうだ。

それにしてもすごい人数。

一体いつになったら出発できるのかという感じだったが、

8時10分に出発できた。スタート会場到着から1時間近く経ってしまった。

自分はP班になった。A班から50人ずつ出走だから既に800人以上

が先を行っていることになる。

走り始めてすぐに渋滞。信号がいくつもあり、先行班がつかえているのだ。

しばらく平均時速10キロ程度だったが、この遅れを戻すために、

その後スピードが上がると考えねばならない。

白子町あたりでアカラサマな雨模様になってきた。

ドロヨケ無しのロードバイクばかりだから、背中の状態は推して知るべし。

自分のすぐ前が指導員なのだが、後輪の水の巻上げがすごくて参った。

途中、パンクで路肩で修理しているロードバイクが多数見られた。

最初のエイドステーション(AS)から10キロほど手前で、トイレに猛烈に行きたく

なった。雨のせいだろう。

コンビニに立ち寄り用を足す。誰かの忘れ物かアイウェアがトイレに放置

されていた。

P班はとっくに先に行ってしまっているので追いかける。

大原の日在浦海浜公園駐車場ASに10時到着。30.9キロ地点。

ヤクルトから出しているソーピードという飲料と、バナナをもらう。10:15出発。

ここからいすみ鉄道に沿うような感じでルートが設けられている。

外房線の踏み切りをクロスするところで丁度特急が通過していった。

木戸泉という酒蔵が目に入る。一瞬水戸泉に見えたが、木戸だった。

いすみから大多喜に向かうと、徐々にアップダウンが現れた。

千葉の坂はドカーンというものが無い代わりに、50メートルぐらいの

小さなのが沢山あり、これがまた堪える。

途中の下りで、コケている人がいて救急車がそばに止まっていた。

旧大多喜女子高校跡ASに11:10到着。48.3キロ地点。

道路から校内までは急坂だが、押していくように言われる。

旧大多喜女子高跡というネーミングがおかしい感じがする。

旧は不要で大多喜女子高跡で良いのでは。

補給テントは草地ながら雨でドロドロのグランドに設置されていた。

レーサータイプのビンディングシューズの人が多かったので、

泥詰まりで大変だったろうと思う。

モンゴルの岩塩と、一口ヨーカン、水のペットボトルをもらう。

日在浦ASからそれほど距離が無かったので、ヨーカンは食べずにウェスト

ポーチにしまう。11:17出発。

大多喜の街並みは昔の様子を再現のか保存しているのかで、

落ち着いた佇まいで、なかなか好ましい。

街中を抜けると、アップダウンが本格化してきた。養老渓谷

粟又の滝方面に向かう交差点で、鉄網の側溝の蓋にスリップしたのか、

激しくクラッシュしている人がいた。

アタマを押さえて、かなり痛そうな様子だ。

その交差点から先の坂がまたキツい。ちょっと立ち漕ぎして済むものでは

なくなってきた。

もう、すっかりP班だの関係なくなって、勝手に走っている。

勝浦市境に12:17。実にトンネルが多い。

急に右折の指示が出された。勝浦ダムに向かうのだが、今日一番きつい坂だった。

ダムの上に着くと、結構な数の参った感じの人が休んでいた。

てっきりこのあたりで昼飯なのかと思っていたが、まだ先だった。

再び登りが現れがっかり来る。ANCHORに乗った小学生がスイスイ

登っているのが見えて、悔しい。

そのうち体重が増えると、そううまくはいかないんだかんな!

狭い林道をくねくねと行く。道路を横切るスリッピーな鉄網蓋が

時々現れる。進入角度に気をつけないとコケるので、気が抜けない。

目の前がチカチカしてきた。ハンガーノック気味だ。

さっきのASでヨーカンを食べておくんだった。

鴨川市の内浦山県民の森ASに到着。12:31。73.2キロ。

やっと昼飯にありつける。ドロンコのグランドに設置されたテントに

向かい、弁当とお茶を受け取る。

小林しのぶプロデュース ツール・ド・ちばオリジナル弁当

「鴨川若潮弁当」とある。弁当は昔の字だ。

内容は、アサリの炊き込み新米ごはん、南房総菜の花漬け、

千葉名物ピーナツ味噌、天津産極太ひじき煮、鴨川産鯖の南蛮漬け、

鴨川産鯵のひと口サンガ焼、和田の鯨竜田揚げ、

人参・椎茸・里芋の煮しめ、サラダスパゲティーという内容。

南総軒という店が調製しているようだ。

空腹を割り引いても、非常に完成度の高い旨い弁当だった。

お茶を飲んでいると、昨日の前夜祭の2人にぱったり会い、同道すること

になった。

13:05出発。H班に紛れ込むことにした。

もう、ここから先は下るだけだから安心と思っていたら、鴨川市内を抜けるときに、

再び登りが現れた。

海岸線の眺めの良い道を行く。和田浦漁港広場ASに14:18到着。102.2キロ地点。

ちょうど祭りにぶつかった。旅情も増していい感じだ。

ただ、雨天のせいで山車がビニールに覆われているのが惜しい。

バナナとアミノ酸飲料をもらって14:30出発。

再び海岸線沿いの眺めの良い道を行く。しかしなんか速い。

追い風でもないのに、平地で35キロ程度の巡航。

H班はどうやら25キログループだった。

途中、以前に泊まった民宿勘太郎などを横目に見ながら、

1日目のゴール白浜フローラルホールに到着。15:25。125.5キロ。

オーロラ号はドロで汚れきってしまい、ウェアもシューズも

びしょびしょだ。

ただ天気はすっかり回復していて青空が見える。

明日以降は心配なさそうだ。

テントで1日目の完走証と伊勢海老汁をもらう。

当然だが、伊勢海老汁は旨い。ASでの水分・塩分補給は全部伊勢海老汁

で良いのにと思ってしまった。

荷物を受け取り、2人と別れて、自転車を洗車し一日目の宿に向かう。

今晩の宿は日本旅行を通して7,000円を払ってとった「ホテル浜千」

しかし、宿の入り口にデカデカと1泊2食5,500円との看板…

日本旅行どんだけ、ピンハネしてんだよ!と思ったが、料理が良いのかも

しれないなと思い、気を取り直して宿に入る。

宿は3階建ての鉄筋コンクリート造り。廊下にシートを敷いてあり、

そこに自転車を置けるようになっていた。

さらに、古新聞やウェスが用意されていて、濡れたシューズの乾燥や汚れた自転車の

メンテに利用できるようになっていた。

また、外に洗濯機が置いてあり、自由に使えるとのことだった。

こういう配慮は大変ありがたい。

風呂に入ってさっぱりして部屋に行く。4人の相部屋だが特に問題なし。

ただ、トイレが汲み取りでもないのにとんでもないニオイなのと

テレビが故障しているのがいただけない。

夕食は、房総の海の幸…と思いきや、なんと一番立派な器に豚肉…

かぼちゃに、野菜に、煮魚、刺身はスーパーで買ったかのようなマグロ…

まあ、栄養バランスを考えているのだろうけども、トホホすぎる。

同じ白浜でも以前泊まった勘太郎とはエライ違い…

一番旨かったのは、別注のビールだった。

部屋の人と軽く雑談しているうちに眠くなり、20時30頃には就寝した。

2日目の明日は山岳コースで大変だと皆が言っていたのが気になるなぁ。